栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

AAFP review:貧血

こんにちは、Roです。最近のモットーは「少年誌のように医学雑誌をルーチンでチェックする」です。月曜はNEJM、火曜日はJAMAみたいなやつです。「今週号のNEJMで出た例のRCTなんだけどさ」とか言ってたらかっこいいじゃないですか。

あとはNEJM journal watchを斜め読みしています。上手く訳せなかったらgoogle翻訳に投げると丁寧に教えてくれます。

 

さて、今週のAAFPは「貧血」です。

超コモンなプロブレムですね。アプローチの仕方も様々ありますが、ここで今一度整理をしてみましょう。個人的には貧血や低Na血症などのコモンプロブレムこそが、丁寧な診療をしているかわかる重要なポイントだなーと思っています。

あとどんな貧血かわかったら、しっかりその原因にまでアプローチしましょうね。ビタミンB12欠乏を診断して喜ぶのではなく、その原因となった不適切なPPIについて嘆きましょう。

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医師の教養⑨:死にがいを求めて生きているの

医師の教養第9弾!
今回取り上げる本のタイトルはかなり強烈ですねえ。

新進気鋭の平成生まれ作家朝井リョウさんの最新作です。
誰?ってなったあなたももしかしたら「桐島部活やめるってよ」はご存知ではないでしょうか?
実は、桐島〜は、朝井リョウさんのデビュー作なんです!いやあすごいなあ。そしてなんといってもあの何とも言えない気持ち悪さ。

その後も「何物」で直木賞を受賞し、同作品も映画化されてますね。この作品自体は2019年、螺旋プロジェクトという「原始から未来への壮大な物語」を有名作家達がリレー形式で繋いでいく作品のひとつとして発表されています。 朝井リョウさんはそのプロジェクトの中で、平成を舞台に「対立」について書いているのです。

死にがいを求めて生きているの

死にがいを求めて生きているの

 

読み進めていくと1人の主人公を軸にして、様々な関わりのある6人の視点から物語が展開しています。
全500ページを超える長編ですが、一気に引き込まれます。

今回のテーマは、「死にがい」であり「生きがい」です。
ナンバーワンよりオンリーワン。「個性を大切にする表面的な平和」を追い求めていった平成時代が、むしろ「自分で自分を見つけなければ生きがいが見いだせない終わりなき旅の始まり」であったというメッセージは強烈な皮肉であり、興味深いテーゼでした。

多様性というコトバで片付けて、考えることを放棄してはいけないのだと思いました。


医師の教養9_死にがいを求めて生きているの

症例:CMAJ 61歳女性 運動したら・・・

case report。
これは思い浮かばず。
色々あるねえ、実際。

症例:61歳女性 運動したら・・・
CMAJ 2018 February 20;190:E195. doi: 10.1503/cmaj.171377

 生来健康な61歳男性。激しいハイキング後に、両下肢に発疹ができたとのことで外来を受診した。特に外傷はなく、発疹部位に掻痒感や疼痛はなし。
ROS(ー):関節痛・腹痛・発熱・倦怠感・体重減少
 特に内服薬はなし。数年前にハイキングに参加した後に同様のエピソードがあったが、1週間以内に自然消退していた。
 診察時には、両下腿に潰瘍を伴わない軽度の浮腫と点状出血を認め、靴下のゴム部分で圧迫された部分は所見を認めなかった。
 下肢動脈のDopplar波形は正常。血液検査では、血算・腎機能・CRP・ESR・血清蛋白電気泳動・ANCA・ANA・C1q抗体・クリオグロブリン・補体は正常だった。凝固異常もなし。

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(本文より引用)

質問. 診断は?

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