栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ゆる読み:JAMA 2010-2020総まとめ〜Editor's pick up!〜

ゆる読みスピンオフ企画!
2020年になったので、last 10 decade!としてこの10年間にJAMA誌に取り上げられた論文達が紹介されていました。

今月も青島先生とゆる〜く楽しく見ていきます!
何気に今回のBGMがゲスの極みっぽくて好きです笑


JAMA2010-2020年総まとめ〜Editor's pick up!〜


https://jamanetwork.com/journals/jama/pages/editor-picks-2010-2019

ざっくりとしたテーマとして
1.2014年にJNC-8として高血圧ガイドライン改訂!
2.2016年 Sepsis-3国際コンセンサスガイドラインでqSOFA!
3.虫垂炎の手術 vs 保存的治療の非劣性試験 APPAC trial
4.SPRINT研究のうち75歳以上の高齢者でもタイトコントロールに軍配
5.AIによるディープラーニングは、糖尿病性網膜症の診断に有効!
6.オバマ元大統領の医学論文!
7.米国を初めとした高所得国の医療費の使われ方
8.収入と生命予後の関係 in USA
9.医療ケアの無駄を考える
10.銃関連の研究が少ない!! 


ご興味のある方は、是非チャンネル登録をお願いします!

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ACPJC:治療 医療従事者のインフルエンザ予防でN95マスクとサージカルマスクに有意差なし

ACPJC紹介です。
2019年に発表されたマスク関連論文です。
世界的にマスクマスクと叫ばれ、N95マスクまで品切れなんて自体は誰も想像しなかったでしょうねえ。
だからといって、何でもかんでもN95にすれば良いってもんではありません。

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Radonovich LJ Jr, Simberkoff MS, Bessesen MT, et al.
N95 respirators vs medical masks for preventing influenza among health care personnel: a random- ized clinical trial.
JAMA. 2019;322:824-33.

臨床疑問:
 曝露の多い外来患者の環境では、医療従事者(HCW)の職場でインフルエンザやその他のウイルス性呼吸器感染症を予防するために、N95マスクと医療用マスクはどちらが適しているか?

方法:
デザイン:クラスター(外来・クリニック毎)ランダム化比較試験(ResPECT trial)。クラスターは、4年間連続で流行時期に再ランダム化された
盲検:
調査者
セッティング:
急性期呼吸器疾患の有病率が高い米国の成人および小児の外来189カ所(プライマリケア・救急外来・歯科・透析室等)

対象者:
 定期的に患者の6フィート(1.83 m)以内にいた18歳以上の2862人のフルタイム医療従事者(平均年齢43歳、女性83%)。
 除外項目:解剖学的にマスク着用困難、安全な参加が難しい状況

介入:
 ウイルス性呼吸器疾患および感染症の予想される発生率が最も高い(季節)1年の12週間に
 ・
N95マスク(189施設/HCW 1993人/2512HCWシーズン) 
 ・医療用マスク(191施設/HCW 2058人/2668 HCWシーズン)
 を医療従事者が着用し、4年連続で合計48週装着した期間を装着期間とした。医療従事者は、呼吸器疾患の疑いがある患者または確認された患者の6フィート以内にいるときに、新しいマスクを使用した。

利益相反:
 CDC/退役軍人保健局

結果:
 ITT解析でN95マスクとサージカルマスクが比較された。
 インフルエンザ発症頻度はaOR 1.18[0.95-1.45]で有意差を認めなかった

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(本文より引用)

結論:
 感染リスクの高い外来セッティングで、N95マスクと医療用マスクの医療従事者の使用は、インフルエンザやその他のウイルス性呼吸器感染症の予防に関して差はなかった

 ResPECT trialでは、N95マスクの着用は、インフルエンザのピーク期にも通常のサージカルマスクと比べて特に予防効果が高い訳ではないことを示しています。
 
 まあ、医療現場にいる方なら当然のこととして理解していることではあると思います。この研究自体のバイアスとして、インフルエンザワクチン接種率が両群で若干違うこと(とはいえ 79% vs 77%ですから・・・)、職場以外でもらったじゃないの?という突っ込みもありますが、概ね信頼できるデータと考えて良さそうです。

 つけたことがある人は分かりますが、あんなマスクずっとしてたら息苦しいし、鼻痛いし、マスクの跡つくし、嫌ですよねえ。ということで、エディターのまとめも、マスクも良いけど、ちゃんと手指衛生・個人用防護具を付けましょうね!ということでした。

 皆様もお気を付け下さい!

✓ インフルエンザ予防にはN95マスクはサージカルマスクと同等

症例:BMJ 46歳女性 左眼の視野がぼやける

case report。
眼底写真からだけでは分からないンですが、興味深い&恐ろしいのは治療中3か月経過しているのに・・・ということ!
何ででてくんの!と突っ込みたい。

症例:46歳女性 左眼の視野がぼやける
BMJ 2020;368:m352 doi: 10.1136/bmj.m352

 46歳女性。3週間前から左眼に徐々に視野がぼやけるようになった。痛みは無い。患者は3か月前に肺結核と診断され、RFP・INH・EB・PZAの4剤治療を開始している
 眼底写真は以下の通り。

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(本文より引用)

質問. 診断は?

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