栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:治療 加齢性黄斑変性症患者では抗酸化マルチビタミンと亜鉛サプリメントはそれぞれ進行を抑制する

ACPJC紹介。
今回はコクランですね。
そしてこれはもう常識になってきましたね。

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Antioxidant vitamin and mineral supplements for slowing the progression of age-related macular degeneration. 

Evans JR, Lawrenson JG. 

Cochrane Database Syst Rev. 2017;7:CD000254.

臨床疑問:
 加齢性黄斑変性症(AMD)では、抗酸化ビタミンやサプリメントは進行リスクを下げられるか?

レビュー範囲:
組み入れ基準
・加齢性黄斑変性症(AMD)患者に対する、抗酸化ビタミンやサプリメント(ビタミンC・E、ルテインやキサンチン含有のカロチノイド、セレン、亜鉛)の単独療法もしくは併用療法とプラセボや介入なし群の比較試験を組み入れた。
アウトカムはAMDの進行(血管新生型AMDや地図状萎縮)、視力消失、副作用等。

レビュー方法:
検索範囲:MEDLINE, EMBASE/Excerpta Medica, Cochrane Central Register of Controlled Trials,AMED,OpenGrey,Citation indexとリファレンスリストをを2017年3月まで、無作為化比較試験(RCT)を検索した。
検索結果:19のランダム化比較試験(n=1万1162人、平均65-75歳、女性 55-57%、平均フォロー期間 6か月〜7年)が組み入れ基準を満たし、少なくとも1つ以上のマルチビタミンもしくはサプリメントを評価していた。
検索の質:ほとんどのデータは2つの大規模RCTから取られており、n=7843人だった。9RCTはマルチビタミンを評価し、6RCTは亜鉛、5RCTがルテイン 10-20mg/日(2つはルテイン+キサンチン)、1研究がビタミンEを評価した。マルチビタミンや亜鉛の用量は研究によって異なっていた。
 2つのマルチビタミンを評価したRCTではプラセボ比較が無かったが、他はプラセボ比較をしていた。12研究が適切な隠蔽割り付け、13研究が患者盲検化、12研究が視力アウトカム評価者盲検化、14研究がアウトカム評価者を盲検化、8研究がデータ追跡が適切だった。

結果:
 メインの結果は以下。
 副作用は一貫して報告されなかった。

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(本文より引用)

結論:
 加齢性黄斑変性症では、抗酸化マルチビタミンと亜鉛は病状進行を抑制した。

 なかなか内科医としてこの領域に手を出せてはいないわけですが、昨今の先進国における失明原因としてはメジャーな疾患です。今回取り上げたCochraneとは別にもう一つ、一般人口に対するビタミン・サプリメントの予防効果を検証したシステマティックレビューCochrane Database Syst Rev. 2017;7:CD000253.)では、残念ながら予防効果は示されませんでした。
 
 患者さんからサプリメントについて聞かれることも多いですが、こういった辺りはそれに対する返答として重要ではありますね。現時点では予防は効果なし、でも一度罹患した患者さんでは、進行リスクをマルチビタミンや亜鉛が下げるというのは結構驚愕でした。

 まあ、とはいえ、いきなりこれらを勧めるのではなく、その他の観察研究でリスクとして示されている、食事療法、健康的なBMI維持、禁煙、長時間日光曝露を避ける、健康的な生活習慣などをまずは実践すべきとしています。

 

 ちなみに尊敬する青島周一先生はこの手のことを一挙にまとめて下さっています。皆様要チェックです!

note.mu

症例:JAMA surg 50代男性 急性腹症

case reportです。
レアものではありますが知っておくべし。

症例:50代男性 急性腹症

JAMA Surgery Published online September 20, 2017

 喫煙歴と高血圧の既往のある50代男性が、36時間前からの上腹部痛、嘔気、嘔吐で入院した。過去の手術歴や外傷歴なし。
 BP 109/70mmHg、Pulse 100bpm。身体診察では中等度の上腹部圧痛あり、反跳痛と筋性防御あり。
 採血では、WBC 13970/μL、Hb 8.4g/dL、Cr 1.67mg/dL、Amy 57U/L、TG 282.42mg/dLで、凝固異常はなかった。
 造影CTを施行した。

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(本文より引用)

質問. 診断は

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