栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

緩和

今週のカンファ:フェンタニルによる呼吸困難への効果/小腸出血の鑑別/潰瘍性大腸炎とANCA

カンファまとめですまあ、備忘録兼ねてですね。メンバーへの裏メッセージも笑 フェンタニルによる呼吸困難への効果 Effect if Fentanyl for dyspnea カンファレンスで話題になっておりましたが、どんなもんかなともう一度確認しておきます。 一般的に終末期…

論文:観察研究 高齢者の持続的な疼痛は、記憶障害や認知症と関係する

色々思うところがあり、論文紹介スタイルを少し変えてみたいと思います。試行錯誤です、はい。高齢者関連の論文は色々交絡が多いですが、今回はこちらを取り上げてみます。 www.ncbi.nlm.nih.gov Association Between Persistent Pain and Memory Decline an…

デスカンファ:嵐のような毎日だからこそ・・・

デスカンファレポート、診療所のT先生登場です。よろしくお願いします〜。 お久しぶりです。毎月3回程度はデスカンファレンスに参加しているので、もっと頻繁に記事を書けばよいのですが、、、。今回も素晴らしいカンファレンスでした。 取り上げた方は独居…

ACPJC:Therapeutics 生命予後が限られた疾患患者で、緩和ケア介入は1-3ヶ月後のQOLと症状負担を軽減するが死亡率には影響しない

ACPJCです。緩和ケアのエビデンス。QOL改善に良いとのシステマティックレビュー。 Association between palliative care and patient and caregiver outcomes: a systematic review and meta-analysis. Kavalieratos D, Corbelli J, Zhang D, et al. JAMA. 2…

ACPJC:Therapeutics 緩和ケアを受けている患者ではリスペリドンやハロペリドールはプラセボと比較してせん妄症状を悪化させる

ACPJCです。せん妄に対する処方は原則注意が必要ですよね。ただし、非薬物療法の即効性の感じにくさが難しいところです。 Efficacy of oral risperidone, haloperidol, or placebo for symptoms of delirium among patients in palliative care: a randomize…

LESS IS MORE: 超高用量オピオイドの不十分な効果と重篤な害 A teachable moment

新年最初のLESS IS MORE流石に日本でこんな症例はほとんど無いとは思いますが、今後増えてくるかもしれませんねえ。何人か慢性疼痛の長期処方例を見ていますが、すべからく面倒なことになっています。 ただ、ネガティブイメージだけで対応しないようにしない…

LESS IS MORE: 家に帰ろう、死ぬために・・・ Perspective

良い研修してるなあと。そして感性が素晴らしいです。沖縄中部病院の研修医?の先生の投稿を見つけて嬉しくなりました。意訳ですが載せさせて頂きます。

ACPJC:Etiology 非癌性の慢性疼痛に対する長時間作用型オピオイド使用は死亡率と関連

ACPJCまとめ。やはりここは手を出すべきではない感じが満載。 Prescription of long-acting opioids and mortality in patients with chronic noncancer pain. Ray WA, Chung CP, Murray KT, Hall K, Stein CM. JAMA. 2016;315:2415-23. 臨床上の疑問: 非癌…

LESS IS MORE: ティートーノス症候群 Tithonus syndrome

これは本当にそうだなあと思いながら読んでいました。共感する部分が多いです。人間が有する”健康という果てしない欲望”をどこまで追求すべきなのか、医療はそこにどう答えていくべきか。簡単な答えはない領域ですが、患者さんご家族も交えて対話を続けてい…

LESS IS MORE:嚥下機能評価でダメと言われたときに・・・

これで記事になるんだなあと。普段の実践そのものです。ある意味、どこでも同じなんだなとホッとした部分もあります。経鼻胃管は確かに比較的容易に入れるスタンスの先生に会うとあ〜と思いますね。後から考える系というところでしょうか。

Review:BMJ 転移性脊椎圧迫症候群

オンコロジー・エマージェンシーの一つですね。 緩和領域でも一般内科診療や救急診療と同様、病歴と身体診察が重要です。 特に「体が動かない」という訴えは見落とすべからざる落とし穴があります。 そのうちの一つです。ご覧下さい。 ※途中で日本発の予後予…

デスカンファ:死に目に会うこと

デスカンファも定期開催しています。 今回はグループホームでの看取り症例を、施設職員と診療所職員と振り返りました。この会もだいぶ定着してきました。 (※一部プライバシーの観点から内容を変更しています。) 90代女性。10年来のAlzheimer型認知症の患者…

MKSAP:高齢者の失神/神経性潰瘍の診断/QRS幅広頻拍の診断/オピオイド誘発性便秘の管理

MKSAPまとめです〜さらっとですね。今回4問目はさらにゲストエディターでした。Y君お疲れ様。 高齢者の失神Manage syncope in an elderly patient ❶症例 78歳男性。失神を目撃され救急搬送。食事中に脈の飛ぶ感じがあり倒れたと。妻によると30秒ほど気を失っ…

今週のカンファ:甲状腺クリーゼ診断基準/鉄吸収に影響する因子/塩酸モルヒネ開始量

今週のカンファ。中身盛り沢山でした! 甲状腺クリーゼ診断基準 Diagnostic criteria for thyroid storm 甲状線機能亢進症で症状ばりばりの方が来た時にふとよぎるのが甲状腺クリーゼですよね。診断基準は実は様々です。この辺りはいつも思うのですが、日本…

今週のカンファ:HAS-BLEDを下げる努力/この認知症の方は終末期なのか?/黄色爪症候群

今週のカンファ。木曜は地域のデスカンファの司会だったので早引き。ちなみに学生さん曰くもっと大人数のカンファを想像していた模様です。すいません、だいぶこぢんまりで・・・(笑) HAS-BLEDを下げる努力 Effort for HAS-BLED score HAS-BLEDスコアは知…

MKSAP:男性性腺機能低下の診断/重症患者での延命治療/便秘患者の警告症状/CKD関連貧血

MKSAPまとめです。もうC先生コーナーとします、これ(笑)。自分ももう一回解きながら勉強になりますねえ。 男性性腺機能低下の診断Diagnose male hypogonadism ❶症例 35歳男性、2ヶ月前からの性欲減退で受診。思春期経過は正常。家族歴に特記事項なし。週2…

論文抄読会:JAMA & NEJM 癌患者終末期ケア内容への家族の気持ち/医者が最期を迎える場所/ナルコレプシーレビュー/過敏性腸症候群に対するEluxadoline

■JAMA■ 癌患者終末期ケア内容への家族の気持ち Family perspectives on aggressive cancer care near the end of life*1 JAMAは緩和ケア特集でした。色々おもしろい文献もあったのですが、今回はUS Census Bureauサーベイというデータを用いて、2003-2015年…

論文抄読会:JAMA & NEJM 心不全へのネプリライシン阻害薬/病院での緩和ケアレビュー

■JAMA■ 心不全へのネプリライシン阻害薬 Valsaltan/Sacubitril for heart failure 心不全に対するネプリライシン阻害薬の効果が2015年に報告され、FDAは7月にNYHA 2-4のHFREFに対して、ARB/ネプリライシン阻害薬を認可しています。根拠となったのは、以前こ…

論文抄読会:JAMA & NEJM 脂質異常症治療に医者と患者にインセンティブ/この胸痛患者にACSはあるか?/終末期患者への抗菌薬使用/積極的降圧vs 通常降圧/左冠動脈ステントの移動

■JAMA■ 脂質異常症治療に医者と患者にインセンティブ Effect of financial incentives to physicians, patients, or both on lipid levels*1 LDLを下げて心血管リスクを減らすにはスタチンが効果的である事は、議論を待たないところでしょうか。一方でLDLが…

論文抄読会:JAMA & NEJM 終末期患者への外科的介入/象が癌になりにくい理由/無症候性顕微鏡的血尿の評価/安定狭心症へのPCIと内科治療/冠動脈疾患に対するエベロリムス溶出生体吸収性Scaffolds

■JAMA■ 終末期患者への外科的介入 Surgical intervention in terminal illness- doing everything*1 最近このJAMAのteachable momentがお気に入り。結構良いこと書いてあります。まずは症例から。 症例は、70代後半の男性。認知症があり、自分では意思決定が…

論文:認知症が癌診断や疼痛に与える影響

認知症が癌診断や疼痛に与える影響Impact of dementia on cancer discovery and pain*1 Psychogeriatrics 2011;11:6-13【背景】 認知症は癌性疼痛の頻度・訴えに影響することが知られている。ただ、この領域に関する包括的な報告は為されていない。本報告の…

デスカンファ:視点が違う

デスカンファは徐々に参加者の深みが増しています。T先生との掛け合いもなかなか良い感じになってきました。今回は、病院と施設との関わりでのお看取りのケースです。 80代の認知症のある高齢男性。繰り返す誤嚥性肺炎で入院。入院後肺炎は改善するも嚥下機…

論文抄読会:BMJ & Lancet ガイドライン推奨薬への併存疾患の影響/妊娠中の飲酒/自宅看取りがベストか?/ピロリ菌ワクチン/治療抵抗性高血圧にスピロノラクトン追加

■BMJ■ ガイドライン推奨薬への併存疾患の影響 Association between guideline recommended drugs and death in older adults with multiple chronic conditions population based cohort study*1 multimorbidityにどの様に対応していくかというテーマの論文…

ACPJC:RCT 終末期患者におけるスタチン中止の影響

ACPJCのこのテーマは個人的には結構好きです。こうゆうの大事だよなあ。思考停止にばしっとメスを。 Safety and benefit of discontinuing statin therapy in the setting of advanced, life-limiting illness: a randomized clinical trial. Kutner JS, Bla…

論文抄読会:JAMA & NEJM 2型糖尿病への第一選択薬/食事に関するガイドライン/末期認知症ケア/肝性脳症での眼球所見/医学的事実と価値

■JAMA■ 2型糖尿病への第一選択薬 Metformin as initial oral therapy in type2 diabetes*1 この手のことが話題になるってこと自体が世界でさほど使われていないという証左な気もしますが。今回JAMA Intern Medに掲載された論文の紹介コーナーです。取り上げ…

論文抄読会:BMJ & Lancet 外傷性疼痛へのPCA/非外傷整疼痛へのPCA/重症GERDへの最適治療/予防可能なAKI死亡ゼロを目指して/新しい心臓保存法

■BMJ■ 外傷性疼痛へのPCA PAin SoluTions In the Emergency Setting(PASTIES)-patient controlled analgesia versus routine care in emergency department patients with pain from traumatic injuries: randomised trial*1 今週のBMJには疼痛に対するPCA…

今週のカンファ:画像陰性の脳梗塞/意思疎通の困難な方の疼痛評価/気尿

今週のカンファまとめておきます。個人的にはすごく感動しました。あんな診療したいなあ。 画像陰性の脳梗塞 MRI negative cerebral infarction t-PAや血管内治療など脳梗塞の治療に注目が集まっている昨今。緊急MRIじゃんじゃん撮ろうぜ!的なアプローチが…

論文抄読会:JAMA & NEJM 甲状腺機能亢進症での胸腺腫大/SSI予防にバンドルアプローチ/グリーフへの認知行動療法/麻疹症例/2型糖尿病への血糖厳密管理の長期予後

■JAMA■ 甲状腺機能亢進症での胸腺腫大 Enlarged thymus in a patient with dyspnea and weight loss*1 JAMAのClinical challengeです。症例は36歳の女性で、1ヶ月前からの労作時息切れを主訴に受診。最近2ヶ月間で6kg以上の体重減少と振戦、発汗過多、動悸あ…

論文抄読会:BMJ & Lancet 急性頭痛患者の腰椎穿刺でトラウマタップとSAHをどう鑑別するか?/高齢者の慢性疼痛レビュー/閉経後更年期障害は意外と長く続く??/くも膜下出血へのコイル塞栓術長期予後/慢性疲労症候群の呼び名変更

■BMJ■ 急性頭痛患者の腰椎穿刺でトラウマタップとSAHをどう鑑別するか?Differential between traumatic tap and aneurysmal subarachnoid hemorrhage: prospective cohort study*1 SAH疑い患者で腰椎穿刺をしたとき、trauma tapになってしまった時程残念な…

論文抄読会:BMJ & Lancet 癌性骨痛へのアプローチ/この患者は脳卒中か?/陣痛誘発へのプロスタグランジン製剤/デノスマブによる骨硬化/急性期脳卒中に対する予防的抗菌薬

■BMJ■ 癌性骨痛へのアプローチ Cancer induced bone pain*1 癌性骨痛に対するclinical reviewです。少し前のreviewではありますがまとめてみます。【Introduction】 骨転移のある患者の1/3に骨痛があると言われています。まあ、逆に残り2/3は骨転移があって…