栃木県の総合内科医のブログ

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論文:小児肥満の発症率

小児肥満の発症率
Incidence of childhood obesity in the United States
N Engl J Med 370;5 nejm.org january 30, 2014

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【背景】
 米国で小児の肥満が増加している事は多く報告されている。今回、米国全体で小学生の肥満発生率を調査した。
【方法】
 横断研究で1998-1999年に幼稚園に在籍していた小児を追った前向きコホート研究。米国全土から7738人の小児が選ばれた。1998-2007年の間に計7回、身長・体重を測定。
 6807人はベースラインで肥満では無かった。肥満obeseと太り気味overweightの基準はCDC基準を使用。毎年肥満発症率を調査し、9年間の累積発生率、全体的な発生率を、性別・経済的な状態・人種・民族・出生児体重・幼稚園児の体重をもとに調査した。
【結果】
 幼稚園入園時(平均年齢5.6歳)に、肥満obeseが12.4%、太り気味overweightが14.9%だった。8年生(平均年齢14.1歳)には、肥満obeseが20.8%、太り気味overweightが17.0%だった。年間発症率は幼稚園の時期が最も多く5.4%で、学年が上がるにつれて増えなくなった。太り気味児overweightは正常体重児と比較して、5年後に肥満obeseになる確率が4倍だった。9年後では31.8% vs 7.9%。
 5-14歳の間に肥満になった子供達の中で、約半分がoverweightかBMI正常値の70パーセンタイルを越えていた(つまり体重上位30%ということ)。経済状態や人種・民族・出生児の体重は肥満発症とは関連しなかった。
【結論】
 5-14歳の児童の中では、太り気味児が年齢が小さい時期に肥満に肥満になってしまうことが判明した。
【批判的吟味】
 ・肥満の割合は日本より多いと思います。overweight以上が27%。
 ・人種差については、アジア人、netive Americanなど、全部まとめてother raceになっています。
 ・今回のデータはあくまで生下時、幼稚園入園児、9年後なので、その後の成人になった時の肥満頻度や幼稚園入園前の体重変化は不明。時々、中学生くらいからすっとする人もいますもんね。
 ・1998年幼稚園だった児童のデータなので、現在の肥満が増えた状態で当てはめて良いデータかは不明。
【個人的な意見】
 ・色々限界はあるにせよ。幼小児期の体重増加は幼稚園入園時点での体重に依存する様です。
 ・うちの子供達はもうすでに幼稚園入園です。体重はnormalですが。
 ・このコホートの長期結果を知りたいです。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1309753