栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文抄読会:BMJ 人工受精やり過ぎ/メトホルミンと癌/勃起障害

論文抄読会:BMJ

BMJ
【人工受精をやり過ぎでは?? Are we overusing IVF?】*1
 BMJのtoo much medicine特集はついに人工受精に白羽の矢?を立てました。人工受精の歴史は1978年からで、元々は卵管疾患による不妊で始まった様です。現在でも適応としては卵管疾患と男性不妊が適応と。ただ、適応がドンドン拡大していて、1978-2003年までが100万人だったのですが、2003-2013年の10年間に500万人に増加したのだとか。デンマークでは全出生の5%が人工受精というデータもある様です。
 倫理的な問題や女性のデリケートな問題なので、安易にtoo much medicineと切り捨てるものでも無いですが、人工受精で出産した方の30%程度が、自然経過でも妊娠できたり、人工受精による合併症(早期産 HR 1.5、出生児体重<2500g HR 1.7、<1500g HR 1.9、脳性麻痺 HR 2.8、多胎増加等々)も増える傾向にあり、適応拡大の流れに警鐘を鳴らしていました。

【メトホルミンにまた吉報 MINERVA】
 BMJが他誌の面白論文を取り上げるコーナーMINERVA。今回は、メトホルミン内服している患者が心血管イベントの抑制効果がある事は、過去の大規模研究から明らかになっていますが、今回は癌患者に対して。
 メトホルミン内服中の癌患者では、癌による死亡を減らしたというメタ解析が報告されています。(The Oncologist 2013;18:1248-55,doi:10.1634)本文は読んでいませんが、癌合併が比較的多い糖尿病患者さんには吉報かもしれません。他の薬剤にはその様な効果は無かった様です。1錠9円也。

【勃起障害のreview Erectile dysfunction】*2
 最近この手のminor problemのreviewが大変勉強になります。糖尿病神経症の評価で南郷先生の訳して下さったIDSの質問紙表を使用するようになったのですが、質問の中に男性向けにEDを聞く部分があります。朝勉強会中にも話題になったのですが、これって聞いても具体的にアプローチ出来てないよね〜と。で、reviewです。
 基本的には、EDの主な要因は心因性と器質性であり、混合型も多いとの事。有病率は高く、男性の52%程度と報告している疫学研究もあります。心因性は若い患者が多く、早朝勃起や夢精は保たれているとのこと。器質性のものとしては、パーキンソン病、脳卒中、アルツハイマー認知症、糖尿病があり、糖尿病は2-3倍リスクになるとのことです。それ以外では、タバコのHR 1.8、運動はHR 0.6ですが、週3回以上の自転車乗りは、OR 1.7と悪いのだそうです。K先生は嬉しそうにC先生に教えていました。C先生の行動変容なるか??(笑)