栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

カンファ:甲状腺疾患の浮腫/穹隆部の発赤/虫垂炎由来の肝膿瘍

甲状腺機能低下・亢進の浮腫】
 甲状腺疾患は頻度が高いですが、浮腫は低下・亢進どちらの症状?と。カンファではどちらでも出るね〜と。低下症の粘液水腫は名前は有名ですが、実際の頻度はあまり多くありません。亢進症は心不全になったり、多飲になったりと様々な要因で浮腫を来す事がありますね。

【穹隆部の斑状・いくら状発赤】
 上部の内視鏡をやっていると、穹隆部の斑状・いくら状発赤を多く診る機会があります。この病変は出血源となるか?という話題でしたが、基本的にはならないですよね。ピロリ菌感染に伴う萎縮性胃炎で診られることもありますが、ピロリ未感染の胃にも診られますし、門脈圧亢進胃症の方に見られたりもします。ピロリ関連所見ではないですよね。下の教科書の42ページに載っています。これ、結構よくまとまってます。
http://www.pariet.jp/alimentary/gastroenterology.pdf

【肝膿瘍の原因としての虫垂炎
 某MLでは先日Klebsiella pneumoniae肝膿瘍+眼内炎が盛り上がっていて、実は人知れず冷や冷やしていました。肝膿瘍の原因として、憩室炎や虫垂炎は教科書的には言われています。虫垂炎から進展する場合には経門脈的な肝膿瘍と考える様です。個人的には、胆管炎性(閉塞がある場合)の経験が多かったので、あまり注目はしていませんでした
 ちょっと調べてみると、抗生剤が普及する以前1960年代には虫垂炎から経門脈的に肝膿瘍を来す症例がそれなりにあった様です。subclinicalな慢性虫垂炎が肝膿瘍の原因になるかはちょっとよく分かりませんでした。症状のない虫垂腫大は肝膿瘍の原因になりますでしょうか???