栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文:未破裂動静脈奇形(AVM)に対する介入について ARUBA研究

未破裂動静脈奇形(AVM)に対する介入について ARUBA研究
Medical management with or without interventional therapy for unruptured brain arteriovenous malformations(ARUBA):a multicentre,non-blinded,randomised trial

The Lancet, Volume 383, Issue 9917, Pages 614 - 621, 15 February 2014


【背景】
 予防的な未破裂脳AVMに対する治療が臨床的な利益があるかどうかは現時点でははっきりしていない。ARUBA研究は、内科的管理群と内科的管理+外科的介入群を比較して、総死亡と症候性脳梗塞を評価するために行われた。
【方法】
 18歳以上の成人の未破裂脳AVM症例症例が対象で、39施設9ヵ国での多施設共同研究。患者はWeb systemで、内科的管理群と内科管理+外科的介入群にランダム置換ブロック法で振り分けられた。内科的管理とは有症状時の薬物治療。患者、担当医、調査者ともに治療介入は盲検化は困難だった。
 プライマリアウトカムは、総死亡と症候性脳梗塞composite outcomeでITT解析が行われた。事前登録がされている。NCT00389181。
【結果】
 2007年4月4日からランダム化を開始。しかし、2013年の4月15日中間解析の時点でNIHのNINDSによる安全委員会が、内科的管理の方が安全性が優れているとして中止とした。この時点で、データは223人の患者で解析可能であり、平均follow upが33.3ヶ月、114例に外科的治療が行われ109例が内科治療群だった。
 プライマリエンドポイントは、内科管理群で11例(10.1%)、外科介入群で35例(30.7%)と有意に介入群で多かったHR 0.27(0.14-0.54)。脳梗塞は45例 vs 12例(p<0.0001)、脳梗塞とは関連しない神経障害が14例 vs 1例(0=0.0008)とどちらも介入群で多かった。
【解釈】
 ARUBA研究は、33ヶ月時点では内科管理群が介入群よりも、総死亡・脳梗塞発症率に関して優れていることを示唆した。本研究は今後観察期間を設けて5年後にfollow upの結果を発表予定である。
資金提供】NIHとNINDS
【批判的吟味】
■この分野では初めてのRCT。ただ、介入の性質上盲検化は不可能。
■外科的介入群の介入方法が実は多用で、外科的治療、血管内治療、放射線治療等多様でした。ただ、治療内容間における差は無かった様です。
compositeにしなくても良かったんじゃ無いかなと思いますが・・・
■中間解析終了は残念。グラフを見ると初期で差がついてその後は変化が無いので、介入直後にイベントが多く起きているのだと思います。
■follow up期間は33ヶ月なので、まだ結論出すのは早いかなと。非介入群で破裂するのはこれから先なのでは??
【個人的な意見】
 AVMを見つけた時にどう加入するか。未破裂動脈瘤の治療は確立されている分、こちらもこれからの技術進歩や介入方法・介入症例の選択が重要になるのではないかと思っています。
 今後の研究結果に期待です。


http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2813%2962302-8/abstract

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