栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

カンファ:腎不全のTnT/サルモネラと動脈硬化/CTRX胆石

【腎不全とトロポニンT】
 腎不全患者が、ACSを疑う症状で来院された場合にTnTやCKMBの解釈は悩ましい結果になることが多いですよね。ただ、安易に偽陽性と切り捨てるのも問題です。心不全患者などでは虚血が関連することも多く、虚血の可能性を心筋マーカーのみで判断するのは御法度でしょうね。
 宿題になっていたので調べてみましたが、TnTはTnIと比べて偽陽性が多い様ですね。あとは、なぜ腎不全患者でTnTが上昇するかも明確ではなく、よく言われている腎排泄という問題だけでは無く左室肥大や内皮機能障害、潜在的な心筋虚血が関連すると言われている様です。(Circulation. 2002;106(23):2941.)
 何はともあれ、腎不全があってもTnT上昇の意味は考えなくてはいけないというメッセージですね。

サルモネラ菌は動脈硬化病変が好き】
 感染性大動脈瘤症例の振り返りで。サルモネラもキャンピロバクターも動脈硬化性病変が好きなので、合併症として血管内感染を起こす可能性があるよと。調べてみると、動脈硬化性病変を抱えている50歳以上のサルモネラ腸炎患者では、ハイリスク群と考えて予防的に抗菌薬投与を検討しても良いかもと。
 同じ理由から、人工物が血管内に入っている人の管理も注意しましょうとな。高齢者の胃腸炎の場合の抜けがちなチェックポイントですね。

【セフトリアキソンの胆石】
 セフトリアキソンの胆石は、薬剤制胆石としては有名ですね。CT画像上は高輝度で比較的軟らかそうな胆石として描出されます。
 過去の報告 (Lancet 1988;2:1411-1413.)を見ると、発症頻度は14-57%。発症時期はCTRX投与開始後 2-42日。結構早いです。腹痛、嘔気、嘔吐などの症状を呈するのは 0-19%。CTRX中止後数日から60日で消失するとのことだそうで。無症候性なのでみつからないということでしょうか。57%って凄い頻度ですもんね。