栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

カンファ:cryptogenic stroke/GNRのIE/類天疱瘡

【cryptogenic strokeについて】
 脳卒中について真剣に取り組むようになり(もちろん今までも真剣ではありましたが・・・)、TOAST分類やCausative Classification Systemなどを用いて病型分類を行うと、"Undetermined"になることが多いことに気付きます。studyにも寄りますが、30-40%は cyptogenic(原因不明)になるとのことです。
 でも、まあ再発予防をしなくてはいけない訳でして。最終的には臨床判断で、抗血小板薬にするか抗凝固薬にするかを決めないといけませんよね。そんな中、 どちらがより有意かを研究したstudyがWARSS study(N Engl J Med. 2001;345(20):1444.)だそうです。この研究では、cryptogenic strokeを抗血小板薬群と抗凝固薬群にランダム化したところ、Wf群の優位性は無かったとのことで、抗血小板薬で良いでしょうと結論づけています。どうしても病型判断が困難な場合は、抗血小板薬で。まあ、差はないのでWfでも良いのかもしれませんが・・・
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa011258

【グラム陰性桿菌による感染性心内膜炎】
 グラム陰性桿菌の感染性心内膜炎では、発育の遅い菌としてHACEKが有名ですが、大腸菌などはnon-HACEK GNRとして分類されるんだそうです。大腸菌やKlebsiellaなどのことですが、頻度はHACEKや真菌と同程度でIE全体の2%程度だそうです。 もちろん、GPCの方が圧倒的に心臓弁につきやすいのですが、時折あるので注意は必要です。

【類天疱瘡の治療】
 高齢者診療では、皮膚疾患や整形疾患もcomobidityとして出てきます。類天疱瘡は特に高齢者で多いので知っておく必要があります。BP180抗体などが陽性になるやつですね。結構ステロイドの内服が入っていて、その影響でステロイド性糖尿病や骨粗鬆症、感染を繰り返したりする症例もあってその後内科的に難渋します。
 今回、調べてみると第一選択の治療として、全身性ステロイドの手前にステロイド外用が書いてありました。死亡率は報告にもよりますが、10-40%/年とかなり高くなっています。ただ、これが治療に伴う合併症とも書いてある。これ、ステロイドさえ使用しなければ・・・って思ったりします。結局risk- benefitを十分に勘案する必要があって、副作用が危惧されれば水疱できてもステロイド外用で粘るのは十分あり得る選択肢かなと思います。