栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

カンファ:LADAのインスリン治療/薬剤性髄膜炎/上顎洞内歯牙

【LADAの早期インスリン治療のエビデンスは?】
 日本ではSPIDDMと呼ばれているLADA(Latent Autoimmune Diabetes in Adults)に、早期インスリン導入で伸展抑制効果があるのか?という話題。もともと2型糖尿病患者の自己抗体陽性率は7.5-10%前後とされているそうですね。LADAはかなりheterogenousな疾患群で、BMIや抗体価、インスリン需要までの進行のスピードも様々なんだそうで。
 現時点ではGAD抗体価が高値(カットオフは様々ですが概ね10U/ml以上)の症例は、インスリン需要が出る割合が有意に高いと言われています。ただ、早期インスリン介入がインスリン需要への伸展抑制効果があるかは明確になっていません。
 個人的には、LADAへのインスリン早期導入はcontroversyな分野であり、インスリン需要伸展に注意しながら合併症予防に努めていく事が重要かと。無理にインスリン導入せずに大血管予防効果のあるメトホルミンでも良いかもしれないですね。

【薬剤性髄膜炎の自然経過について】
 薬剤性髄膜炎は、NSAIDsや抗菌薬(ST合剤等)、抗けいれん薬、免疫グロブリン製剤などで起こると報告されています。機序は薬剤そのものの髄膜刺激性とアレルギー性の過敏症状によるとされています。
 カンファでどのくらいで良くなるか?という話題が出ていましたが、Uptodateでは、薬剤中止後数日(a few days)で改善すると書かれていました。副作用として認知していくことが重要です。

【上顎洞内に歯牙が写っている??】
 CTで上顎洞内に歯牙が写っていたらどう考えたらよいでしょう?智歯の逆生歯という概念があるそうで。場合によっては鼻腔内に出ることもあるそうです!間違えて上方に伸展していくんですね。
 歯の向きによって順正歯という更にrareな状況もあるみたい。あとは、歯根嚢胞が智歯を上方に押し上げるという病態もある様です。歯性上顎洞炎を疑った場合などに、知っておくと勉強になります。entry不明な血液培養陽性などでは、しつこくfocusを詰める作業が重要ですね。

↓ 以下は症例報告です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibi1954/38/1/38_11/_pdf