栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

カンファ:WRF/糖尿病と高カリウム/肺炎球菌とCK

【WRFについて】
 心不全治療では利尿剤が多く用いられますが、その際に腎機能障害が悪化することがあります。これをWorsening renal function(WRF)と呼ぶという話題です。定義上は「血清Cr 0.3mg/dLの上昇」とされており、WRFは心不全自体の予後を悪化させるという報告が多くありました。最近はトルバプタンのMRさんがしきりに強調してきます。
 ただ、調べてみると意外と腎機能を犠牲にしてでも、利尿を図ることの有用性も報告されているようです。今後の検証が必要ですが、少なくともこれを元に治療成績とエビデンスの乏しいトルバプタンに移行することはないかなあと思います。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03068_02

【糖尿病と高カリウム血症】
 糖尿病患者の他の原因がはっきりしない高カリウム血症は時折みられますが、この原因としてⅣ型RTAを考える必要があります。病態生理ははっきりしませんが、低レニン低アルドステロンによる結果とされていて、低レニン低アルドステロンになる原因は色々推測されている様です。特異的な治療は無く、K制限を行うか体液過剰や高血圧がある場合には利尿剤投与を検討しましょう。

【肺炎球菌性肺炎とCK上昇】
 調べてみるとそれなりに頻度がある様で、その中で感染症由来の横紋筋融解について解説している文献もありました。もともと感染症由来の横紋筋融解症は、 横紋筋融解症全体の5%未満とのことですが、肺炎に伴う横紋筋融解は見逃されている可能性が高く31%程度との試算もあるそうです。
 正確な頻度は不明ですが、CK上昇を合併する場合には、菌血症リスクが高く、腎障害や死亡とも関連するとされ、注意が必要と記載がありました。

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1046/j.1469-0691.2003.00673.x/pdf