栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

カンファ:Caroli病/Nephrocalcinosis/MLF症候群

【Caroli病について】
 肝臓内に微少な嚢胞性病変を来す疾患の鑑別について。多発性肝嚢胞(PCLD)と定義されていますが、総胆管嚢腫や胆管過誤腫、Caroli病などが鑑別疾患としてあげられています。
 この中で先天性肝内胆管拡張症をCaroli病と呼ぶと定義されており、比較的太いレベルでの胆管形成障害が原因となるようです。頻度は100万人に1人程度。30歳までに80%は診断される様ですが、中には中高年で見つかることも。逆行性の胆道感染がしばしば問題になり、肝内胆管結石や肝膿瘍を起こすので注意です。
 そもともこれらの疾患は、発生学的以上で肝内胆管系の形成異常や嚢胞形成を起こすという意味では、一連の疾患群と捉えるのが主流になってきている様子でした。
http://www.md.tsukuba.ac.jp/clinical-med/ge-surg/image/kannouhou.pdf

【Nephrocarcinosisについて】
 腎実質自体の石灰化は腎石灰化症(Nephrocalcinosis)とも呼ばれています。。原因としては、持続的な高カルシウム血症、高カルシウム尿 症、高シュウ酸血症、尿の停滞を来す。進行すると慢性腎臓病の原因ともなり得る病態の様です。もともとは副甲状腺機能亢進症に伴うAlbritht's calcinosisを指していた様ですが、今はもっと広義の腎石灰化を指すとのこと。エコーやXp所見が特徴的ですね。

【MLF症候群】
 MLF(medial longitudinal fasciculus)症候群は、核間性眼筋麻痺、失調性眼振とも呼ばれる眼球運動障害です。一眼もしくは両眼の内転障害があるものの輻輳は保たれ病変側の眼球が外転した時に健側に水平性眼振が見られ、複視を来します。内転障害を来している側が病変側です。
 内側縦束(MLF)が外転神経核付近で障害された場合に見られます。海外では多発硬化症が、本邦では脳梗塞などの血管病変が多いとされています。画像はごくわずかで放射線科も指摘しないこともあるくらい。脳幹(橋・中脳)内側が病変部位で症状が決め手です。そもそも脳梗塞の定義上画像所見は必須ではありません。よく鑑別になる糖尿病による動眼神経麻痺とは、輻輳が保たれているかどうかが鑑別ポイントになります。
 類縁病態にOne and a half症候群があり、PPRF+MLFの障害で健側へも患側へも水平協調運動障害が障害されます。
 この辺りは何度勉強しても忘れちゃいます。復習有るのみです。

https://www.youtube.com/watch?v=7Yp_B1BWf-A