栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

カンファ:類上皮性血管内皮腫/インスリン分泌能/IgA腎症

【肝の類上皮性血管内皮腫】
 ”知らない病気は診断できない”を痛感しています。
 類上皮血管内皮腫(Epithelioid Hemangioendothelioma:EH)は、1982年にWeissらによって

「成人の四肢をはじめとした身体各所の軟部組織に発症し、上皮様細胞から成る血管腫と血管肉腫の中間の臨床経過をたどる稀な固形腫瘍」

と定義されています。かなり稀な疾患ではありますが、造影CTで低吸収で一部石灰化表面の陥凹像があるといった特徴を抑えておくことは重要です。
 肝腫瘤で病理診断がついていない場合には要注意だなあと。胆管細胞癌の診断を受けることも多い様なので、この際頭の中にたたき込んでおこうと思います。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/74/4/74_1003/_pdf

 

 

インスリン分泌能の評価】
 糖尿病のインスリン分泌能評価について。よく蓄尿Cペプチドとか測定していますが、実はあまりメジャーな検査ではないみたいです。こうゆうの調べると意外とwikipediaに出てるんだよね〜。
 インスリン分泌指数血中Cペプチド尿中Cペプチドに並んでグルカゴン負荷試験があります。ちなみに血中Cペプチドは早朝空腹時の測定が重要で、これが0.5ng/ml以下ではインスリン依存状態と考えられるとされています。
 グルカゴン負荷試験は、

①早朝空腹時にグルカゴン1mg静注
②静注前、静注5分後に採血し、血糖・血中CPRを測定。
③グルカゴン静注前後のCPR値の変化が、1.0以下の場合には、膵β細胞機能が低下しているとされている。
④空腹時・血中CPRが0.5ng/ml以下であればそれもインスリン依存状態と考える。

 まあ、でも結局最終的には臨床的にインスリンが必要かどうか、病歴・身体所見などから1型、2型、その他の型をどの程度鑑別できるかでしょうね。

 

 

【IgA腎症の顕性血尿】
 IgA腎症は、初期は無症状で顕微鏡的血尿などで引っ掛かります。この段階で診断までつなげられるかが重要です。血清IgA値は感度・特異度ともに低い為、診断にはあまり役に立たないと考えるべき。基本的には他疾患の除外+腎生検がgold standardです。
 病歴的に重要なのが、過去の顕性血尿について。感冒や消化管感染症、過労、寒冷暴露などのストレス下で肉眼的血尿が出現するのが特徴的なので、是非詳細に病歴を聞きましょう!