栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

疑問:失神患者は自動車運転をしてもよい?

今日の朝の話題。
初回の神経調節性失神では運転制限はどの程度したら良いでしょうか?
自動車運転中の失神の原因として最も多いのが神経調節性失神なんだそうです。以下のデータを見てみましょう。

  • 失神患者全体の自動車運転中発作の頻度     9.8%
  • 失神患者全体の失神による交通事故の頻度    0.65-1.9%
  • 運転手一人あたりの受傷頻度          0.13%/年

これを見ると自動車運転中に結構起こっているなと。
その中で事故を起こすのは約1割ということになります。

  • 失神経験後に自動車運転を中止した患者の頻度  1.9-3.9%
  • 運転中失神後に自動車運転を中止した患者の頻度 17%

やめないですね〜、運転。ただ、これ検討していくと最終的に神経調節性失神の初回発作であれば、再発率は1年で1.1%程度と低い様です。

最終的に、

RH=TD(運転時間または距離/年)×V(自動車の大きさ)×SCI(失神の再発率/年)×Ac(事故の発生率/年)

でリスクを算出し、最終的に社会的に受け入れ可能なRH<0.005%を満たすかどうか計算しましょうみたいな話しもあるみたいです。

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これを見る限り神経調節性失神では、単発・軽症例では制限なしとなりますね。

「再発性の失神患者における自動車運転制限のガイドラインとその運用指針」より抜粋
http://jhrs.or.jp/pdf/com_device201303_01.pdf