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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

メモ:悪性腫瘍の消化管閉塞患者の予後

メモ 消化器 緩和 内視鏡

 消化管ステントの適応を考える際に参考になりました。悪性腫瘍によって消化管閉塞を来している患者さんで、ステントにするかバイパス手術をするかというのは結構悩ましいところです。
 私は内科医なので、ステントを選択することが多いわけですが、その場合の判断基準の一つとして、次の様なstudyがありました。

Independent predictors of survival in patients with incurable malignant gastric outlet obstruction: a multicenter prospective observational study.
 

105人の悪性腫瘍による胃十二指腸狭窄を来している患者を対象に3ヶ月後生存率の多施設前向きコホート
 PS 3-4 3ヶ月生存率 26%
 PS 0-2 3ヶ月生存率 60%
Scand J Gastroenterol. 2010;45(10):1217.

 これを見ると、やはりPS 3-4の寝たきりに近い患者さんに対しては、手術は避けてあげたいなあと思います。より低侵襲でQOLをあげてあげたい・・・一方で外科的バイパス術は長期的に閉塞解除ができるので、PS 0-2では逆に外科的処置も検討しましょうと。なるほどー。

 

ちなみに参考までにWHOのPerformance statusは、

WHO 0: 全く問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。

WHO 1: 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行う ことができる。例:軽い家事、事務作業

WHO 2: 歩行可能で、自分の身の周りのことは全て可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。

WHO 3: 限られた自分の身の周りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。

WHO 4: 全く動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)による日本語訳