読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

メモ:抗菌薬サイクリング療法について

メモ 感染症

ひょんなことから「サイクリング療法」について考えることに。
以前岩田健太郎先生の「抗菌薬の考え方、使い方」の中でサイクリング療法は意味が無いと書いていた記憶もあり、結局自分できちんと調べる機会がありませんでした。

 

今回調べてみると、

「サイクリング療法」とは3ヶ月おきに使用抗菌薬を限定するもの

なんだそうです。
 私はてっきり長期抗菌薬投与が必要な患者さんに、抗菌薬を2週間毎で交換しながらサイクルさせて使うという考え方だと勘違いしていました。(例:MRSAの骨髄炎→Dapt 14日+VCM 14日+TEIC 14日みたいな)
 実際の所は、3ヶ月おきに変更するということなので、例えば肺炎への抗菌薬を1-3月はCPFX、4-6月はTAZ/PIPC、7-9月はカルバペネムみたいなローテーションをさせるって話なんだそうで。これをantibiotic heterogenecityというんだそうです。
 過去の研究では、賛否両論あり、始まった当初は耐性菌を減らし、感染症の発症件数を減らすという報告もあった様ですが、最近は逆に3-4ヶ月のサイクリング療法では耐性菌を増やすのではないか?と危惧されており、ミキシング療法などの他の方法が考慮されているんだとか。
 個人的には、抗菌薬を一律に動かしたりする方法は如何なものかと思いますし、耐性菌予防の観点からは、広域抗菌薬を如何に使用しないかに尽きると思っています。安易な多種の抗菌薬暴露は避けるべきですし、十分量の抗菌薬を十分期間使用することが基本だと思います。

抗菌薬の考え方、使い方Ver.3

抗菌薬の考え方、使い方Ver.3