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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

身体所見:Romberg試験とhead thrust test

身体所見 神経 耳鼻

久々に身体所見ネタです。

Romberg試験

 Romberg試験はドイツの神経内科医Moritz Heinrich Romberg(1795-1873年)が初めて提唱した神経診察法です。

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 試験内容は至って単純。

1.被験者は手を身体の側面に添え、開眼して足を揃えて立ってもらう
2.被験者が目を閉じ、1分簡経過観察。 

 これだけです。被験者が倒れて怪我をしないように注意します。誤解されているのは解釈でして。
 よく”揺らついたら陽性”とされていますが、実際は

陽性と診断する為には、
①開眼していれば立位可能。
②閉眼すると立位保持不可能。

の両方を満たしているのが陽性です。開眼している段階で立位出来なければ陽性とは言えません
 小脳失調時に陽性になると勘違いされていますが、一般的に小脳失調では開閉眼に関わらず立位保持が出来ないので、Romberg試験は陰性になります。
 Romberg試験が陽性になるのは、感覚性運動失調がある場合であり、Polyneuropathyや脊髄癆、脊髄後索障害などによって起こるとされています。Romberg試験は小脳機能を評価する検査ではないことは認識しておく必要があります。

head thrust test(頭部強制回旋試験)

 こちらは動画を載せておきますが、簡単に言うと前庭眼反射を診る試験ということになります。試験方法としては、

1.正面視させたまま頭部を左右いずれかの方向に15°ほど急速に回旋させる。
2.正常は遅滞なく元の視線位置に眼球がある。元に戻るのに遅れがある場合を陽性とし、片側前庭神経の障害を示唆。

 これによって前庭神経炎の診断をつけることが可能です。正面視をいかに継続させるかが肝で、検者が正面に立って、検者の鼻をずっと見続けてもらうのが良い様です。
 この検査自体は脳梗塞の除外ができるかが検証されており、感度91%程度とされています。陰性であれば脳梗塞でない可能性が比較的高くなると言えるかもしれません。
Neurology. 2008 Jun 10;70(24 Pt 2):2378-85. doi: 10.1212/01.wnl.0000314685.01433.0d.


Positive Head Impulse Test - YouTube

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