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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

メモ:スポーツ貧血

 ひょんなことからスポーツ貧血という概念を勉強してみました。Uptodateの貧血の項目を見るとなんと”Athletes”という項目があるんですね。
 スポーツを行う人達にとって、血液量というのは実は様々な変化が起こることが知られています。例えば、1986年の陸上アジア大会を例に取ると、女性の22.5%、男性の7.5%に貧血が認められたとしています。大別すると、①鉄欠乏性貧血と②溶血性貧血がある様です。

①鉄欠乏性貧血
 スポーツ選手特有の鉄欠乏性貧血の原因として”汗”が言われています。汗の中にも微量ながら鉄が含まれている為、大量に発汗することで失われる鉄も増えるのだそうです。過去の文献では、スポーツ選手の発汗による鉄喪失は、1日あたり1mg程度とされていて、鉄欠乏の原因となるとされています。
 また、筋肉量が増えると、筋肉中にも鉄分が含まれるので、鉄需要が増して相対的な鉄欠乏になるという機序も知られています。

②溶血性貧血
 何度も足を踏みつけることで、足の裏の血管内で赤血球が踏み潰されて溶血し、ヘモグロビン尿症を発症することが知られています。溶血が少なければ、腎臓でヘモグロビンは再吸収され鉄分は再利用されますが、大量の場合にはヘモグロビン尿症が出現し、貧血を来す事があります。
 例えば、マラソンだけでなく、素足で踏み込む剣道や空手、コンガやドラム奏者でも報告があるのだそうです。

LIFE STYLE 鉄

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