栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

メモ:AMA陰性のPBCについて

 原発性胆汁性肝硬変(PBC)では、抗ミトコンドリア抗体(AMA)は95%の患者さんで陽性になるとされています。AMAの感度95%、特異度98%という報告(Clin Liver Dis. 2008;12(2):261.)もあり、PBCには特異的な抗体検査です。ただし、測定方法によって偽陽性偽陰性があり、臨床的に疑われた場合にはELISA法で陰性でも間接蛍光抗体法で陽性になる患者が数%(逆もしかり)あるとされています。
 あまり意識していなかったのですが、抗核抗体も60-70%で陽性になるとされていて、抗セントロメア抗体陽性のPBCは門脈圧亢進症を合併しやすいのだそうです。補助検査としてIgM上昇も参考になります。一般的にPBCの診断には肝生検による組織所見が重要ですが、特徴的な慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)が存在しなくてもAMAが陽性で組織が矛盾しなければ診断可能となっています。


 本邦の厚生労働省の研究班が出版した原発性胆汁性肝硬変(PBC)の診療ガイドでは、診断基準を

1) 組織学的にCNSDCを認め、検査所見がPBCとして矛盾しないもの
2) AMAが陽性で、組織学的にはCNSDCの所見を認めないが、PBCに矛盾しない組織像を示すもの
3) 組織学的検索の機会はないが、AMAが陽性で、しかも臨床像及び経過からPBCと考えられるもの

どれでも診断可能としています。


一方で、海外ではAASLDが診断基準を提唱しており、

1)Biochemical evidence of cholestasis based mainly on alkaline phosphatase elevation

2)Presence of AMA

3)Histologic evidence of nonsuppurative destructive cholangitis and destruction of interlobular bile ducts

3つのうち2つを満たせば診断可能となっています。
AMA陰性で歩みを止めてはいけないですね〜。

原発性胆汁性肝硬変(PBC)の診療ガイド

原発性胆汁性肝硬変(PBC)の診療ガイド