栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:喀血と吐血の鑑別/大腿骨頭壊死/CTC狭窄病変の以深の評価

今週は嫁熱を出すの巻だったので、カンファは後半出られず。
ひとまず、記憶に残った範囲でまとめます。
インフルエンザ〜〜。

喀血と吐血の鑑別 hemoptysis and hematemesis

 喀血って典型的に、ゴホゴホって咳き込んで手で覆ったら血が・・・みたいな沖田総司的な状況(知らない人は一度「お〜い、竜馬」是非一読を!)ならすぐに分かりますが、なかなかそうはいかないこともありますよね。

 結構吐血か喀血か迷ったり、喀血か口腔内の咽喉頭からの出血か迷ったりもあると思います。教科書的な喀血と吐血の鑑別はAFPのreviewにまとまっていました。

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http://www.aafp.org/afp/2005/1001/p1253.htmlより引用)

 ただ実際には出血成分は、呼吸器由来でも嚥下され胃内に貯留したり、消化管出血も誤嚥して気管内に入ったり、口腔内出血もどちらにも行きうるため、鑑別が難しくなることがあります。
 重要なのは、上記病歴の詳細な再評価です。もちろん、必要に応じて胸部Xp・上部内視鏡検査・咽喉頭ファイバー・気管支鏡検査・胸部造影CT・血管造影などを検討。

✓ 喀血と吐血の鑑別原則は病歴・身体所見。

 

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大腿骨頭壊死 Osteonecrosis

 ステロイド使用に伴う大腿骨頭壊死の報告は様々ありますが、頻度として21-37%程度と比較的多いことが報告されています。実は病態生理はあまりはっきり分かっていないのですが、

①骨に栄養供給する動脈の微小脂肪塞栓
②骨髄内脂肪細胞の増大による血流阻害
③静脈内皮障害から静脈うっ滞をきたし骨内圧上昇

などの仮説が検証されている様です。

  ステロイド性の大腿骨頭壊死は、PSL 15-20mg以下では3%程度と低いことが知られている一方、ステロイドパルス療法を受けた患者では骨壊死が多いという報告もあります。予防の為に高用量ステロ イド使用時にはワーファリンやスタチンなどの脂質降下剤の併用を勧める論文もある様です。また、ステロイドパルス療法では凝固亢進のためヘパリン(10000単位/day)を併用することもある様です。
  
 その他のリスクとして知られているものでは、
・外傷性:大腿骨頚部骨折、股関節脱臼、軽度外傷等
・非外傷性:ステロイド、アルコール、鎌状赤血球症、潜函病、SLE、Gaucher病、慢性腎不全・透析患者、膵炎、妊娠、脂質異常症放射線治療、臓器移植、経静脈的抗凝固療法、血栓性静脈炎、喫煙状態、高尿酸血症HIV感染症、特発性等
 なんだそうです。いやあ色々ありますね。

✓ 大腿骨頭壊死の原因はステロイド以外も多数ある。

 

 

CTCで狭窄病変以深の評価 CTC of evaluation for lesion after stenosis

 CTColonographyが始まり、少しずつ運用されてきています。現時点では、内視鏡の侵襲には耐えられないが下部消化管精査が必要な状態、CFで到達できなかった場合のCF直後、患者希望あたりが適応となっています。

 本邦よりも多く行われている米国でのガイドラインでは、USMSTFやACS、ACRなどの複数学会が、CTCの適応を大腸癌リスクが平均的な50歳以上の無症候性成人に推奨され、6mm以上のポリープを認めた場合には内視鏡検査が推奨されています。また、CTC正常の場合には、次の検査は5年後で推奨されている様です。ポリープ既往がある方や大腸癌リスクが高い方には推奨されません。
 一方USPSTFは、CTCのメリット・デメリットのエビデンスが不十分だとして評価をしていません。
 
 ここから先は、おそらく適応外使用であり、今後の検証が待たれる部分だと思いますが、内視鏡通過が不可能な狭窄性病変の更に奧の腸管評価に使用できるのではないか?と検討されています。
http://www.nmckk.jp/pdf.php?mode=puball&category=ECCA&vol=12&no=2&d1=2&d2=5&d3=0

 もちろん5mm以下のポリープや平坦病変・側方型病変の評価には限界があることを押さえておく必要があります。

✓ CTCは狭窄病変より奧の腸管評価に使われていることがある。