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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

デスカンファ:デイサービスの役割は?

 ちょっと前に参加したデスカンファは結構もやもやでした。なかなか消化不良でアウトプット出来る感じでは無かったのですが、少し時間が出来たので振り返ってみたいと思います。

  70代女性。認知症もありつつ慢性閉塞性肺疾患/繰り返す誤嚥性肺炎などで、入退院や緊急往診を繰り返し受けていた方でした。夫との二人暮らしを継続しながらも、徐々にご夫婦を取り巻く医療職/介護職が増えていきます。
 彼女はデイサービスを利用するようになり、次第にデイサービス大好き!になり、どんな時でも行くことが大きな楽しみになりました。週3回のデイサービスと訪問看護・訪問診療と
様々な人達が家に出入りするようになりました。
 ご本人との関わりの中で、医療職は急変時も自然な形で対応する、いつ急変してもおかしくないという認識を持っていきます。ただ、基本的にはお元気なので、なかなかまとまった形での意思疎通が出来ておらず、デイサービスも含めた介護職の中では、どの様に対応すべきか迷いと葛藤があった様です。
 そんな中、ある日デイサービス利用中に急変されました。診療所に連絡する間もなく、呼吸停止。介護職も看護職もショックは大きかった様です。診療所の医師は直ぐに駆けつけることが出来ない状況だったため、救急車で診療所まで運んでもらい診療所到着後に看取りとなりました。

(一部プライバシーの観点から内容を変更しています。)

  医療職と介護職、ご家族との意思統一を図ることがなかなか難しかった事例でした。また、良性疾患の終末期認識と経過の時間軸共有も難しいなと感じました。”いつ急変してもおかしくない”と医療職が考えていたとしても、実際に目の前で急変された介護職はさぞやビックリされただろうと思います。

 課題はいくつも見つかりました。

・デイサービスという本来は医療や看取りを想定していない様な場所で終末期を過ごしていくことの課題。
・今回の様に救急隊を呼んで、診療所や病院まで搬送するときに、心肺停止状態だと蘇生処置が行われること、自動的に警察に連絡が行き職員は事情聴取を受けるようになる事。
・ピンピンころりをみんなが共有して受け止めることの難しさ。
・事前に相談しすぎるとデイサービスで受け入れられてもらえなくなってしまう可能性がでてくること
・・・・・・


 難しいですね。デイサービスが最期の受け皿になってしまうご家族も多く、医療度が高くデイサービスを断られてしまう為に、在宅生活を継続できなくなってしまう方もいます。
 既存のデイサービスの形をブラッシュアップして生き残りをかけていくのか、はたまた別形態のサービスがこの分野に参入してくるのか。現状は不十分であり、変革を迫られていることは確かです。

生活の場のターミナルケア

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