栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法は体重・BMIを増加させる

ACPJCアップします。
当直開け眠し。とりあえず一つプレゼン完成(笑)。

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Effects of CPAP on body weight in patients with obstructive sleep apnoea: a meta-analysis of randomised trials.

Drager LF, Brunoni AR, Jenner R, et al.

Thorax. 2015;70:258–64.


臨床上の疑問:
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者での、CPAP療法が体重に与える影響は?

方法:
 
①研究デザイン:ステマティックレビュー。
 ②検索範囲:18歳以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群で4週間以上のCPAP療法とshamもしくは治療無し群を比較した研究を対象。CPAPと他の生活習慣改善や薬剤介入を比較した研究は除外。
 ③アウトカム:BMIと体重の変化。
 ④検索方法:MEDLINE、 SCOPAS、Cochrane Central Registerで2013年までのRCTが検索された。
 ④検索結果:25のRCT(n=3181、平均年齢 53歳、84%男性、平均BMI 31、平均研究期間 3ヶ月)が組み入れられた。全ての研究の質は良好で、平均スコアは7/9だった。

結果:

f:id:tyabu7973:20150519000354j:plain(本文より引用)

 メタ解析ではCPAP療法はコントロール群と比較してBMIと体重を増加した

結論:
 閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、CPAP療法はshamもしくは治療無しと比べてBMIと体重を増加させる。

 睡眠時無呼吸症候群についての結構衝撃のデータでした。体重およびBMI増加は、平均0.42kgと多くはありませんが有意です。CPAP療法の効果は、血圧・睡眠・QOL・認知機能・うつ病に関して証明されていますが、今回体重・BMIについては負の効果が証明されました。ただし、あくまでサロゲートアウトカムなので、真のアウトカムの検証が必要だと思います。
 ただ、この体重増加効果がCPAP療法による効果なのか、閉塞性睡眠時無呼吸が治療されての効果なのかは実は良く分かっていません。実は小児閉塞性睡眠時無呼吸の扁桃摘出後の研究でも、摘出後に有意に体重増加が見られています。そもそも、治療効果が得られて体重が増えるのは逆に良いことかもしれません。

 

睡眠時無呼吸症候群診療ハンドブック

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