栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:低血糖後の血糖follow up/憩室炎と尿管結石/ジオン

今週のカンファまとめます。
人の入れ替わりもありますが、なかなか興味深い症例も多いです。

低血糖後の血糖follow up Follow up blood sugar for severe hypoglycemia

 病院で勤務していると低血糖患者さんを診療する機会が多いです。特に高齢者のSU剤やインスリンは厄介なことが多いです。さて、この低血糖初期治療のその後については、実はきちんと記載されているものを見つけることが出来ませんでした。

 多くは、糖分投与15分後に再検査をいうことになっていますが、その後どうするかについては明確なコンセンサスが無い模様です。少なくともUptodate・Dynamed・ADAのStandards of medical care in Diabetes 2015でも発見できませんでした。

 色々切り口があると思うので論点を列挙。

・30分以上の昏睡が続くと低血糖脳症が不可逆になる可能性がある?
・1回正常化した場合にどの程度の間隔で血糖を測るべき?
・意識があればと言うけれど、無症候性低血糖も心配?
・そもそも夜入院したら、その度に起こして意識を確認?
・血糖正常化してどの程度まで重点的に追えば良い?
・グルカゴンは積極的に使えと書いてあるが実際は?
・SU剤の低血糖にはエビデンスレベルは低いけど、オトクレオチドが勧められている?

 一応Uptodateの低血糖性昏睡の管理の項目に、
”Blood glucose concentrations should be measured hourly. Reversal of neurologic symptoms may lag behind normalization of glucose levels.”
 と記載されており、超重症だと1時間毎とのこと。まあ、高齢者で心配な方は1時間後とが無難かもしれませんね。

 ✓ 低血糖改善後は、遷延性低血糖が危惧される場合には1時間毎にチェックが無難かもしれないがコンセンサスなし

 

憩室炎と尿管結石 Diverculitis and ureteral calculi

 当院の内科カンファには放射線科の先生が顔を出してくださり、画像のワンポイントレクチャーとか相談とかを受けて下さるのですが、その際にご指摘頂きました。読影のレポートを見ていると、「尿管結石の疑い」でオーダーが出たCTで憩室炎が見つかることが多いのだそうです。

 個人的には臨床診断だけでどこまで鑑別できるかは非常に悩ましい所だなという認識なので、CTやむなし!(もしくは熟練した操作者のエコー)とも思いますが。ただ、嘔気や嘔吐が強いと尿管結石寄り腹部の限局した圧痛が強いと憩室炎寄りで考えることが多いかもしれません。

 ✓ 尿管結石と憩室炎の鑑別は難しい事がある。

 

 

ジオン Zione

  えっとまず最初に。ガンダムではありません(爆)。それにしても痔の治療薬で”ジオン”って・・・ものすごいネーミングセンスだと思いませんか?

 田辺三菱から出ているのですが、由来は「痔(Zi)核を1回(One)の治療で治す」という意味で”zione”だそうです・・・主成分は硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸で、内痔核に局所注射を行い、それによって部分的な炎症を惹起しその後痔核血管内の血液量を減らして治癒するという機序のものです。

http://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/pict/zon_a_0000001800.jpg

http://medical.mt-pharma.co.jp/di/file/pict/zon_a_0000001800.jpgより引用)

 現時点では質の高いエビデンスがあるとは言えず、ASCRS(American Society of Colon and Rectal Surgeons)のガイドラインでは、あまり推奨されていません。バンド結紮術の方が良いよーと。

 一応ASCRSが提唱している症候性痔核に対する推奨は以下です。
・適切な水分と繊維の摂取 Grade 1B
・上記抵抗性のGrade 1-2の痔核にはバンド結紮術を推奨 Grade 1B
・Grade 3の痔核にはバンド結紮か外科的切除
・Grade 4の痔核には外科的手術 Grade 1B

✓ ジオンは痔核の硬化療法の薬剤。エビデンスはバンド結紮術より確立されていないのが現状。