栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:SR 糖尿病患者に対する厳密な降圧療法は網膜症を減らす

ACPJCピックアップ。
SRばかりだなあ。質の高い・・・って選ぶとそうなるのでしょうか?

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Blood pressure control for diabetic retinopathy. 

Do DV, Wang X, Vedula SS, et al.

 Cochrane Database Syst Rev. 2015;1:CD006127.
臨床上の疑問:
糖尿病患者に対する厳密な降圧療法は糖尿病性網膜症を減らすか?

方法:
 ①組み入れ基準:1型・2型糖尿病患者さんで、血圧治療を比較した研究(厳格治療 vs 通常治療、降圧治療 vs 介入無し・プラセボ等)を組み入れ。高血圧の有無関係なし。
 ②除外基準:
明確な記載なし
 ③アウトカム:糖尿病性網膜症の発症、糖尿病性網膜症の進行
、視力、死亡率、低血圧
 ④検索方法:
MEDLINE、 EMBASE/Excerpta Medica、Cochrane CENTRAL、LILACS、metaRegister of Controlled Trials、Clinical Trials.gov、World Health Organization International Clinical Trials Registry Platformから過去のRCTが検索された。
 ⑤検索結果:15のRCT(13669人)が組み入れ
られ、5つが1型糖尿病(n=4036人、平均年齢30歳)、10個が2型糖尿病(n=8251人、平均年齢 51-66歳)だった。11の研究が適切にランダム化され、10個の研究が適切に盲験化され、12個でアウトカム評価者の盲験がされ、8つで適切にfollow upされていた。
 10個の研究は降圧薬とプラセボを比較しており、3つは厳格降圧群 vs 緩徐降圧群を比較し、2つが血圧コントロールと通常ケアを比較していた。
 製薬会社のスポンサーがあったのは6研究で、部分的なサポートは更に7研究で認められた。

結果:

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(本文より引用)
1型と2型で結果に差は認めなかった。

結論:
 1型・2型糖尿病患者では厳密な血圧コントロールは網膜症発症を減らすが、低血圧を増やし、網膜症の進行とは関連しなかった。

 糖尿病患者で何をすべきか。よくABCが言われますね。
A:HbA1c
BBlood Pressure
CCholesterol
と言われていて、今回はその血圧の網膜症に対する影響を評価したSystematic reviewです。毎回SRを読んでいて思うのですが、こんなに異質性の高い研究を統合しても、一定の見解は言いにくいなあと思います。
 今回もいつも通りtrade offになりましたが、コメントでは、でも心血管イベントや腎疾患進展抑制効果があるから血圧下げようね!と結んでいて、それを言ったらおしまいよ!と思いました。