栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:RCT 合併症の無い皮膚軟部組織感染に対するクリンダマイシンはST合剤と同等の効果

 

ACPJCです〜。
今回は選択ミス。以前読んでました。
4大ジャーナル以外を取り上げようとしているんだけど・・・

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Clindamycin versus trimethoprim-sulfamethoxazole for uncomplicated skin infections.

Miller LG, Daum RS, Creech CB, et al; DMID 07-0051 Team. 

N Engl J Med. 2015;372:1093-103.

臨床上の疑問:
合併症の無い皮膚軟部組織感染に対するクリンダマイシンはST合剤と効果は同等か?

方法:
 ①デザイン:ランダム化比較試験
 ②割り付け:
独立
 ③盲験:
患者・臨床医・データ収集者・アウトカム評価者・安全委員会の盲験化
 ④follow up:
40日。
 ⑤セッティング:
米国の救急クリニック・救急外来4カ所。
 ⑥患者:6ヶ月から85歳まで(平均年齢27歳、30%小児、52%男性)の合併症の無い皮膚軟部組織感染症患者524人。臨床的には、蜂窩織炎・膿瘍・もしくは両方。
 除外基準は、単独などの表皮感染、ヒト・動物咬傷、高熱、免疫抑制薬使用、免疫抑制状態、手術後感染、抗ブドウ球菌活性のある抗菌薬使用。
 ⑦介入:クリンダマイシン 300mg 3回/日(n=264人)、ST合剤 160mgTMP+800mgSMX 2回/日(260人)を合計10日。小児用量は体重で換算し、全ての膿瘍は切開・排膿が為された。
 ⑧アウトカム:プライマリアウトカムは、治療後7-10日後の臨床的治癒。セカンダリアウトカムは、副作用と1ヶ月後の臨床的治癒。サブグループ解析は、成人・小児、蜂窩織炎、膿瘍、両方合併で比較。524人の患者は群間差10%が必要とされ、有意水準 α=5%、検出力80%で設定した。
 ⑤患者follow up:治療開始7-10日までに89%が評価された。

結果:

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(本文より引用)
 31%が膿瘍、53%が蜂窩織炎、16%が両方合併だった。クリンダマイシンは、ST合剤と比較して皮膚感染症の治癒率は同等だった。 
 副作用、7-10日後・1ヶ月後の治癒率ともにどのサブグループ間でも同等に効果的だった。

結論:
 合併症の無い皮膚軟部組織感染に対するクリンダマイシンはST合剤と効果は同等である。

 まあ、これは以前にも取り上げたんでした。過去のStop-MRSA研究でも同様の結果ではありましたが、今回の研究でも糖尿病や腎不全、免疫不全などの基礎疾患のある患者は除外されています。今後はこれらのhigh risk患者での治療効果を検討する必要があります。

 

レジデントのための感染症診療マニュアル 第3版

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