栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:Zenker憩室/単関節炎か否か/嗅神経芽細胞腫

今週のカンファまとめです!
レア疾患はこんな時しかまとめられないので〜。。

Zenker憩室  Zenker diverticulum

 食道憩室はほとんどが無症状ですし、あまり相手にはしないのですが・・・・全消化管憩室の中での頻度は約1%と言われています。

 食道憩室は部位によって分類され、
咽頭食道憩室(Zenker憩室)
②中部食道憩室
③横隔膜上憩室
があります。頻度は、①10%、②70-80%、③10%と言われ、中部食道憩室が圧倒的に多く、これは内視鏡時に時折見つかります。

 Zenker憩室とは、咽頭食道後壁の解剖学的脆弱部位であるKillian三角に圧出性に形成される憩室です。

http://www.jiankang.cn/img/jb/788/7788_1287204041_1.jpg
http://www.jiankang.cn/img/jb/788/7788_1287204041_1.jpgより引用


 症状として、ほとんどの症例で嚥下障害を認めます。逆に言えば嚥下障害できた患者さんにおいてZenker憩室による嚥下障害を疑うことが重要なわけですね。その他、未消化物の逆流・咽頭の閉塞感・咳嗽・嚥下時異常音・誤嚥性肺炎などがありますが、無症状の症例もいる模様です。
 

 ✓ 原因不明の嚥下障害を診たらZenker憩室も鑑別に。

 

 

単関節炎か否か Monoarthritis or Multiarthritis

 これは今回大変反省しました。メッセージとしては、単関節炎がひどくなると多関節炎様になるということでしょうか。例えば手関節がメチャクチャ腫れている場合に、手全体が腫れてDIPやPIP・MP関節などの手指関節が多数腫脹・熱感・疼痛が出て、関節炎に見えることがあります。
 
 杓子定規にやると上記で多関節炎になって鑑別RA?とかなりますが、炎症が関節を超えて波及するとこの原則には従えないかもしれません。リウマチ疾患による関節炎が非対称性ということもありますが、対称性であると7.8倍もRAである可能性が高くなると言われています。
Arthritis Rheum. 2000 Apr;43(4):865-71.

 1997年のACRの分類基準でも左右対称性についての記載があります。2010年の基準では左右対称性についての記載が消えてしまいました・・・単関節炎と多関節炎では鑑別が大きく異なります。片側性の多関節炎?と思った場合には、要注意です!


 ✓ 単関節炎か多関節炎か、それが問題だ!

 

 

臭神経芽細胞腫 Olfactory neuroblastoma

 嗅神経芽細胞腫(Olfactory neuroblastoma)は、鼻腔上方に存在する嗅上皮から発生した珍しい腫瘍です。鼻副鼻腔腫瘍全体の2-3%、100万人あたり0.4人と超稀少癌。年齢層は幅広いですね。
 
 基本的には鼻腔内の腫瘍なのですが、この腫瘍は篩板の小孔を介した頭蓋内進展もありえるんだそうです。篩板を横切って延びていく”dumbbell-shaped”な腫瘍が画像の特徴で、およそ1/3くらいの症例で硬膜内進展を起こします。進展は主に頭葉方面です。

 病理組織で悪性度が決まるので、全摘出をするよりも化学療法での縮小を図り、前頭葉機能の温存を図ると言う形になる模様です。組織は鼻腔内視鏡が有用とのこと。

 ✓ 嗅神経芽細胞腫の画像所見には注意する。