栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:SR ラクナ梗塞患者では単剤抗血小板薬投与が脳卒中再発を予防する

ACPJC。こんな王道のテーマでも条件絞るとこれくらいしか根拠ないんだなあと改めて。

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Efficacy of antiplatelet therapy in secondary prevention following lacunar stroke: pooled analysis of randomized trials.

Kwok CS, Shoamanesh A, Copley HC, et al.

Stroke. 2015;46:1014-23.

臨床上の疑問:
ラクナ梗塞患者にでは、抗血小板薬が脳卒中の再発を予防するか

方法:
 ①組み入れ基準:ラクナ梗塞患者で抗血小板薬単剤と2剤(DAPT)とプラセボアスピリン・その他の抗血小板薬を比較したRCT。
 ②除外基準:
ラクナ梗塞以外の脳梗塞
 ③アウトカム:
プライマリ 脳卒中(梗塞 or 出血)の再発、セカンダリ 脳梗塞再発と複合アウトカム(全ての脳卒中心筋梗塞・死亡)
 ④検索方法:
MEDLINE、EMBASE/Excerpta Medica、Cochrane reviews、リファレンスリスト(2013年12月まで)から英語の文献が検索された。
 ⑤検索結果:17個のRCTs(42234人のラクナ梗塞、平均年齢 64歳、男性 65%、follow up 4週~3.5年)が組み入れ
られた。10RCTがランダム化が適切で、13研究は盲験化が適切だった。4研究はfollow up率が不明だった。


結果:

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(本文より引用)
抗血小板薬の単剤治療はプラセボと比較すると脳卒中脳梗塞有意に減らした。単剤療法とアスピリンは同等の効果で、DAPTはアスピリンと比較すると、全ての脳卒中についてはやや減らす傾向にあったが、脳梗塞やcmposite outcomeでは同等だった。クロピドグレルは、他の単剤療法やDAPTと効果は同等だった。

結論:
 ラクナ梗塞患者において、抗血小板薬単剤療法はプラセボと比較して再発性脳卒中を減らす。

 脳卒中の発症頻度は年々減少傾向にあり、日本でも死亡に寄与する割合は低下傾向です。また、t-PAや血管内治療など今まで以上に治療の進歩の恩恵を受けている領域でもあります。

 今回の報告で分かることは、ラクナ梗塞の再発予防は抗血小板薬単剤がきちんと検証された効果であり、その他の薬剤使用はまだまだ検証が必要ということでもあります。NNTは18(13-41)とされており、過去に言われているものとほぼ同等です。そしてアスピリンと他の抗血小板薬の効果は同等ということでもあります。DAPTやクロピドグレルを積極的に推奨する程の優位性は今のところ証明されていません。DAPTは2013年の中国のCHANCE研究が有望でしたが、今後更なる追試での検討が望まれます。