読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:RCT follow 重症大動脈弁狭窄症に対するTAVRは通常ケアより死亡率を下げる

ACPJC 論文 Lancet 循環器

ACPJC。最近は本当に技術革新がものすごいですね。
TAVRはその最たる部分でしょうか。
あとは費用対効果や医療格差の問題をどうするか。

f:id:tyabu7973:20150913173105j:plain

5-year outcomes of transcatheter aortic valve replacement compared with standard treatment for patients with inoperable aortic stenosis (PARTNER 1): a randomised controlled trial.

Kapadia SR, Leon MB, Makkar RR, et al; PARTNER trial investigators.

Lancet. 2015; 385:2485-91.

臨床上の疑問:
重症で症候性の大動脈弁狭窄症に対するTAVR(経カテーテル大動脈弁置換術)は通常治療と比較して死亡を減らすか?

方法:
 デザイン:Placement of Aortic Transcatheter Valves(PARTNER)研究というRCTのフォローアップ研究
 ②割り付け:ランダム割り付け
 ③盲験化:盲検、死因の評価者はブラインド。
 ④follow up期間:5年
 ⑤セッティング:21カ所の米国・カナダ・ドイツの弁膜症治療センター
 ⑥患者:358人の重症症候性大動脈弁狭窄症、大動脈弁口面積<0.8㎠、平均83歳、54%が女性、治療で外科的弁置換施行患者は除外。
 ⑦介入:
TAVR(第一世代Sapien heart valve system)179人と通常ケア179人
 ⑧アウトカム:
5年後の全死亡・心血管死亡・脳卒中
 ⑨follow up率:
97%(ITT解析)

結果:

f:id:tyabu7973:20150913173114j:plain

(本文より引用)
 通常ケアと比較してTAVRは、全死亡と心血管死亡を減らしたが脳卒中には影響を与えなかった。

結論:
 重症で症候性の大動脈弁狭窄症に対するTAVR(経カテーテル大動脈弁置換術)は通常治療と比較して死亡を減らす。

 これ、さらっとかいてありますが、何がすごいって平均年齢83歳!ってとこです。83歳の重症ASって結構厳しいと思いますが・・・これをきっかけにガイドラインはがらっと変わり、外科的手術と比較しても非劣性が証明されています。生存期間ももちろん延長。あとは施行可能施設や手技の標準化でしょうか。