栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:初発痙攣に抗けいれん薬をすぐ入れるか、再発まで待つか

ACPJCアップします。ちょっとブログ更新遅れ気味。
最近、スケジュール管理やばいのと実は少し風邪気味。

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Evidence-based guideline: management of an unprovoked first seizure in adults: report of the guideline development subcommittee of the American Academy of Neurology and the American Epilepsy Society.

Krumholz A, Wiebe S, Gronseth GS, et al.
Neurology. 2015;84:1705-13. 

臨床上の疑問:
成人の初発非誘発性痙攣患者さんでは、直ぐに抗けいれん薬(AEDs)を用いるのと再発まで待って用いるのとでは、痙攣再発や寛解に対してどちらが効果的か?

方法:
 ①組み入れ基準:初発痙攣やてんかんの診断を受けた患者に対してすぐに抗けいれん薬を開始する群と2回目の発作まで待機する群を比較した研究
 ②除外基準:
すでにてんかんと診断された患者や急性の誘発性痙攣の患者の研究
 ③アウトカム:
プライマリ 2年以内の痙攣再発と初発から3年後以降で2年以上の寛解状態が維持出来ているか
 ④検索方法:
MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials(Mar 2013)で介入研究と観察研究を検索。10人以上の患者が含まれていて、年齢18歳以上、英語文献を検索した。
 ⑤検索結果:5個のRCT(n=1600)が組み入れ基準を満たしていた。
それぞれの研究規模は76-812人で、適切なデータ保護が為されていた。


結果:

 メタ解析では、直ぐに抗けいれん薬を投与することは、2年以内の再発を有意に減らした。RRR 47%(39-55%)、NNT 5だった。
 初発から3年以上経過した時点での2年以上の寛解状態維持については、すぐに投与しても再発するまで待機しても両群共に同等だった。

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(本文より引用)

結論:
 成人の初発非誘発性痙攣患者さんでは、直ぐに抗けいれん薬(AEDs)を用いると短期の再発は減らすが長期の寛解状態は、待機的AEDs投与と変わらなかった。

 痙攣初発で来院して、頭部MRIなどの器質疾患スクリーニングで異常が無かったときにいつ抗けいれん薬投与をするか?というテーマです。現時点で確定的な方法は無く、早期治療を勧めているガイドラインもあれば、待期的なガイドラインもある様です。
 抗けいれん薬投与は副作用も比較的多く、治療開始による社会的な問題も出てくるため、診断・治療における”閾値”というのは臨床医にとって悩ましい問題になっています。今回のテーマをどう解釈するかは人によって異なるかもしれません。