栃木県の総合内科医のブログ

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ACPJC:etiology ダビガドランとリバロキサバンはワーファリンと比較して消化管出血を増やさない

ACPJCアップしておきます。
今日は意外と早く終わりました。

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Comparative risk of gastrointestinal bleeding with dabigatran, rivaroxaban, and warfarin: population based cohort study.

Abraham NS, Singh S, Alexander GC, et al.
BMJ. 2015;350:h1857.

臨床上の疑問:
ダビガトランとリバロキサバンはワーファリンと比較して消化管出血を増やすか?

方法:
 ①デザイン:
Medicare登録者の病院および薬局の処方請求データベースを2011年11月から2013年9月まで用いた観察研究。follow upは2013年12月末日まで。
 ②セッティング:
米国
 ③患者:
2010年11月から2013年9月の間に、新規にダビガトラン、リバロキサバン、ワーファリンが処方開始され、12ヶ月以上使用見込みの9万2816人の18歳以上の地域住民(平均62歳)が組み入れられた。
 除外基準は機械弁や僧帽弁狭窄症、長期血液・腹膜透析中患者、腎移植患者。
 ダビガトラン・リバロキサバン投与群はプロペンシティースコアを用いて、年齢・人種・薬剤・消化管出血のリスクとなる背景因子などをマッチさせてワーファリン群と比較された。プロペンシティーマッチは心房細動あり、なしでも分けて比較された
 ④危険因子:
ダビガトラン・リバロキサバン・ワーファリンの処方、ベースラインの年齢・性別・人種、合併症、消化管出血の薬理学的リスク。Afありなしで年齢によって層別化して比較。
 ⑤アウトカム:プライマリアウトカムは消化管出血
(入院医療費請求データを元に)。

結果:

 ダビガトランとリバロキサバンは消化管出血を増やさなかった。高齢者、特に75歳以上の患者では出血リスクが高く、このデータを適応するのは難しい

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(本文より引用)

結論:
 ダビガトランやリバロキサバンはワーファリンと比較して消化管出血を増やさなかった。

 過去のRCTのデータを用いたSystematic reviewではDOACは消化管出血を増やすという結果がでており、今回は相反する結果となりました。commentでもどちらを信じたら良いのか・・・と。

 今回の研究は観察研究の結果なので、未知の交絡因子が隠れている可能性があります。結局薬剤選択時には、医療費、コンプライアンス、使いやすさ、併用薬剤、合併症などを考慮する必要があります。