栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文:肥満患者への食事前の水分摂取

肥満患者への食事前の水分摂取
Efficacy of water reloading before main meals as a strategy for weight loss in primary care patients with obesity*1

obesity:23,1785-1791,2015
【目的】
 成人肥満患者において、食事前に水分を飲むことが体重減少に効果があるかを検証する。
【方法】
 2群のランダム化比較試験が英国バーミンガムで行われた。84人の肥満患者がプライマリケアから組み入れられた。全ての患者は、ベースライン時に面接で体重管理に関する面談を30分間受けた後に、2週間後に電話で100分間フォローアップされた。ベースライン時に、食事30分前に水を500ml飲む群と食事30分前に満腹を想像するコントロール群にランダムに割り付けられた。プライマリアウトカムは12週後の体重変化。アドヒアランス測定が行われ、24時間蓄尿も行った。
【結果】
 41人が介入群に、43人がコントロール群に割り付けられた。食事前水分摂取群ではコントロール群と比較して体重が-1.3kg(-2.4 to -0.1)減少した。人種や年齢、性別などで補正しても介入群はコントロール群よりも体重を-1.2kg(-2.4 to 0.07)減少させた。
【結論】
 準備段階のエビデンスとして、食事前の水分摂取が中等度の体重減少をもたらすことが分かった

【批判的吟味】
・非常に興味深いテーマのRCTです。いつも通り論文のPICOを確認していきましょう
P:1年以内にBMI≧30の肥満患者 84人
  妊婦・妊娠予定・インスリン使用や・減量プログラムに参加は除外
I:一般的助言+食事30分前水500ml 群
C:一般的助言+食事30分前に「満腹を想像」群
O:12週間後の体重変化
T:RCT/ITT解析
・平均56歳、BMI 34、BW 93kg、女性 64%、大学出身者 21%
アドヒアランス介入群で87%、コントロール群で35%でした。満腹の想像が難しい模様ですね。
・満腹感のスコアでは両群に差が無いため、満腹感を自覚して水分以外はとらなくなるということとは異なる機序がありそうです。
・介入方法としては非常に簡単であり、副作用も多くなさそうであり、実現可能な介入ではあります。

【個人的な意見】
 面白いですねえ。非薬物療法ではありますが、体重減少効果は十分あるという結果が得られたのはすごいですね。大手を振って肥満患者さんに水分摂取のアドバイスをしてあげられそうです。


✓ 肥満患者さんが食事前に水分500mlを摂取すると12週後の体重が平均1.3kg減少する