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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics RCT 閉経後でアロマターゼ阻害薬治療中の乳癌患者さんに対するデノスマブは骨折を減らす

ACPJC Lancet 論文 薬剤 悪性腫瘍 整形

ACPJCアップです〜。
デノスマブ確かに良いんですけど、高いよなあ・・・

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Adjuvant denosumab in breast cancer (ABCSG-18): a multicentre, randomised, double-blind, placebo- controlled trial.
Gnant M, Pfeiler G, Dubsky PC, et al; Austrian Breast and Colorectal Cancer Study Group.
Lancet. 2015;386:433–43.

臨床上の疑問:
 
閉経後女性で、アロマターゼ阻害薬によるホルモン治療を受けている早期乳癌患者では、デノスマブは骨折に効果があるか?

方法:
 ①デザイン:RCT

 ②割り付け:隠蔽化
 ③盲験:盲験(患者・評価者・プロジェクト管理者・データ管理者・臨床研究関連者・アウトカム評価者・統計学者)
 ④フォローアップ期間:平均38ヶ月
 ⑤セッティング:オーストリアスウェーデンの58施設
 ⑥患者:3425人の閉経後女性(平均64歳)で、ホルモン受容体陽性で、アロマターゼ阻害剤投与された乳癌患者が対象。
 除外基準は、組み入れより24ヶ月以上前からアロマターゼ阻害剤が開始されている、SERM投与中、過去にデノスマブやBis製剤を使用している、骨Paget病・Cushing症候群・高プロカルシトニン血症・4週間以内の手術は除外
 ⑦介入:デノスマブ 60mg皮下注射(1711人)、プラセボ(1709人)を6ヶ月毎
 ⑧アウトカム:プライマリアウトカムは、X線確認による最初の骨折までの時間(頭蓋骨・顔面・手指・足趾は除外)
 セカンダリーは、腰椎・股関節・大腿骨頚部の骨密度(BMD)と有害事象
 ⑨フォローアップ率:99.5%、ITT解析

結果:

 デノスマブは最初の骨折までの時間を減らし、骨密度を全ての部位で上昇させた。副作用は特に差が無かった。

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(本文より引用)

結論:
 閉経後女性で、アロマターゼ阻害薬によるホルモン治療を受けている早期乳癌患者では、デノスマブは骨折予防に効果が認められた

 デノスマブ効果は確かにすごいですね。およそ70%の乳癌患者さんはホルモンレセプター陽性なんだそうです。そのため、アロマターゼ阻害剤はアジュバント治療の中心的な役割ですが、骨密度を減らすことが分かっており、どう対策するか?というのが今回の研究の背景にあります。
 今回、有害事象ではいわゆる顎骨壊死は増えず安全性はプラセボ比較で大きく変わらないことが示されました。また、骨折予防効果はNNT 20なのでそれなりに良いかなとも思います。
 ただし、考察でも触れられていますが、乳癌そのものの死亡率等への影響はどうか?という疑問への答えはありません。実はBis製剤は併用で死亡率を減らしたというメタ解析があるんだそうです。現在デノスマブでも検討中とのこと。残りの課題は費用対効果でしょうか。

顎骨壊死を誘発するビスフォスフォネート経口薬あるいは

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