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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:RCT Therapeutics 腹腔内感染症に対する抗菌薬投与期間

ACPJCアップです〜。
これは以前NEJMの論文で読みましたが。

f:id:tyabu7973:20151120013820j:plain

Trial of short-course antimicrobial therapy for intraabdominal infection.
Sawyer RG, Claridge JA, Nathens AB, et al. 

N Engl J Med. 2015; 372:1996-2005. .

臨床上の疑問:
 
複雑性腹腔内感染で適切な感染源コントロールができた患者において、抗菌薬4日投与群と症状によって抗菌薬を投与する群で、30日後の臨床アウトカムが変わるか?

方法:
 ①デザイン:ランダム化比較試験(STOP-IT
 ②割り付け:
隠蔽化
 ③盲験:
非盲験
 ④フォローアップ:
30日後まで。試験は早期中断。
 ⑤セッティング:
カナダと米国の23の医療機関。
 ⑥患者:カ518人の16歳以上の患者(平均年齢 52歳、56%男性)で、複雑性腹腔内感染で、体温≧38.0℃、白血球数≧11000、食事摂取量<50%、適切な感染源コントロールが出来ている
 ⑦介入:カ感染源コントロール後に抗菌薬4日群(n=258人)、臨床症状(発熱・白血球上昇・腸管)によって10日以内群(n=260人)
 ⑧アウトカム:プライマリアウトカムは、SSIと腹腔内感染の再発と死亡の複合アウトカム。抗菌薬治療期間や腹腔外の感染症もアウトカム評価。非劣性試験でイベント発生率30%と見積もって、パワー90%、α=0.05に設定し、1010人のサンプルサイズが必要と試算。
 ⑨患者フォローアップ:99.8%、ITT解析

結果:

 最も頻度の多い腹腔内感染は大腸・直腸(34%)だった。介入群も非介入群も臨床アウトカムは差が無く、腹腔外感染の頻度も変わらなかった。抗菌薬治療期間は4日群と通常群で比較すると、4日 vs 8日と有意に介入群の方が少なかった。

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(本文より引用)

結論:
 複雑性腹腔内感染で適切な感染源コントロールができた患者において、抗菌薬4日投与群と症状によって抗菌薬を投与する群で、30日後の臨床アウトカムが変わらなかった。

 意外とダラダラ使いすぎってことですね!ICTラウンドしているとこの辺りのテーマは非常に難しくて、エビデンスも少ないのでこういったデータが出てくるのは貴重ですね。

レジデントのための感染症診療マニュアル 第3版

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