栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:RCT Therapeutics コントロール不良の高血圧患者に対する薬剤師介入は6ヶ月後の血圧を低下させる

ACPJCアップします。
やっぱり薬剤師介入は最近熱い感じでしょうか。
コメンテーターはかなり慎重派。
まあ処方権限を持たせている国ならではの視点ですが・・・

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Randomized trial of the effect of pharmacist prescribing on improving blood pressure in the community: the Alberta Clinical Trial in Optimizing Hypertension (RxACTION). 

Tsuyuki RT, Houle SK, Charrois TL, et al; RxACTION Investigators. 

Circulation. 2015;132:93-100.

臨床上の疑問:
 
コントロール不良の高血圧患者に対して、薬剤師による介入が通常ケアよりも血圧を下げるか?

方法:
 ①デザイン:ランダム化比較試験
 ②割り付け:
隠蔽化
 ③盲検:非盲検
 ④フォローアップ期間:
6ヶ月間
 ⑤セッティング:カナダのアルベルタ、23の市中病院の外来またはプライマリ・ケアの薬局
 ⑥患者:
248人の成人(平均 64歳、51%女性、平均血圧 150/84mmHg)で、カナダの高血圧教育プログラム(CHEP)ガイドラインによる血圧コントロール不良患者が対象。除外基準は緊急介入を要するような高血圧(sBP≧200mmHg、dBP≧130mmHg)

 ⑦介入介入は、血圧測定、心血管リスク評価、患者教育、薬歴聴取、必要時薬剤調整・新規処方、生活習慣アドバイス、高血圧に関係するパンフレット配布、血圧手帳の配布が薬剤師によって行われた(n=181人)。非介入群は、血圧評価を3ヶ月毎、生活習慣アドバイスは必要時、血管リスクに関するパンフレットと血圧手帳配布は行われた(n=67人)。介入群は、血圧目標値に達成するまで毎月フォローアップし、2ヶ月連続で達成したら以降は3ヶ月毎。
 ⑧アウトカム:プライマリアウトカムは収縮期血圧の変化。他のアウトカムとして拡張期血圧やCHEP推奨の血圧達成者の割合(糖尿病では<130/80mmHg、通常は140/90mmHg)
 ⑨患者追跡率:
87%(ITT解析)
結果:

 薬剤師による処方介入は、通常介入よりも6ヶ月後の収縮期・拡張期血圧有意に減少し、CHDP基準による推奨血圧目標達成者の割合を有意に増加させた。

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(本文より引用)

結論:
 コントロール不良の高血圧患者に対して、薬剤師による介入が通常ケアよりも血圧を下げる

 今回の薬剤師介入の中身をみると、日本の高血圧診療は果たしてどの程度までクオリティが保たれているだろうか・・・と反省仕切りになります。
 これだけきちんとシステマティックに介入できていれば、効果が出て当然といえば当然。そして興味深いのはその介入自体は薬剤師でも十分ということ。薬剤師の可能性ですね。日本版Pharm Dができないかなあ・・・と期待。

薬剤師のための臨床思考力トレーニング ケースで学ぶ薬物治療

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