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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Etiology 1年以上のオルメサルタン使用は消化管吸収不良による入院が増加する

ACPJCです。
ARBの中でも特にオルメテックⓇで注意が必要なようです。

f:id:tyabu7973:20151225131922j:plain

Severe intestinal malabsorption associated with olmesartan: a French nationwide observational cohort study.

Basson M, Mezzarobba M, Weill A, et al. 

Gut. 2015 Aug 6..

臨床上の疑問:
 オルメサルタン使用は消化管吸収不良による入院と関連するか


方法:
 ①デザイン:フランスの国民レベルのデータベースを利用したコホート研究
 ②セッティング:
フランス
 ③患者:平均年齢は61-64歳、女性が46-56%の集団で、ARBもしくはACE-iを新規に開始した患者4546680人。除外基準は、ACE・ARBの最初の処方前に
Syste` me National d’Information Interre ́ gimes de l’Assurance Maladie databaseに登録されている患者、ACE-i・ARBが既に処方されている患者、グルテンフリー食品の摂取、消化管吸収不良での入院歴、Celiac病関連の抗体検査。

 ④リスク因子:オルメサルタンや他のARBおよびACE-iの処方(暴露期間は処方終了後30日まで追跡して確定した)
 ⑤アウトカム:プライマリアウトカムは退院時診断が消化管吸収不良の入院。セカンダリはCeliac病の退院時診断による入院。


結果:
 オルメサルタンの使用は他のARBと異なり、消化管吸収不良による入院と関連した。
①消化管吸収不良:オルメサルタンの使用全体では、調整RR 2.49(1.73-3.57)で、1-2年使用では調整RR 3.66(1.84-7.29)、2年を超えた使用は調整RR 10.65(5.05-22.46)
②Celiac病:オルメサルタンの使用全体では、調整RR 4.39(2.77-6.96)で、1-2年使用では調整RR 4.36(2.04-9.34)、2年を超えた使用は調整RR 10.21(4.21-24.76)だった。
 他のARBはどの処方期間でも消化管吸収不良やCeliac病の入院には関連しなかった。

f:id:tyabu7973:20151225131930j:plain

(本文より引用)

結論:
 オルメサルタン使用は消化管吸収不良による入院と関連する

  個人的にはARBはできる限り使用しない方針ではあるので、あまり問題になったことはありませんが、敢えて他の人の処方はいじらないので、副作用出ていたら注意しようと思います。機序はあまりよく分かっていないのですが、使用と中止による因果関係があること、オルメテックがプロドラックであることから消化管吸収に関連するのでは?と仮説が立てられています。とはいえ、NNH 12500と滅多に出会わなそうですが・・・