栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Prognosis 新規に痛風と診断された患者は化膿性関節炎のリスクがあがる

ACPJC。結晶沈着性関節炎と化膿性関節炎は単関節炎診療の永遠のテーマです。

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Septic arthritis in gout patients: a population-based cohort study.

Lim SY, Lu N, Choi HK.

Rheumatology (Oxford). 2015;54:2095-9.

臨床上の疑問:
 新規に痛風と診断された患者は化膿性関節炎のリスクになるか


方法:
 ①デザイン:発端コホート研究で5年間フォロー
 ②セッティング:英国の580の一般医療機関データを反映した
The Health Improvement Network(THIN)データベース
 ③患者:40歳以上の新規発症痛風患者72073人が対象
。平均年齢 65歳、71%が男性。対照群は痛風なしで、年齢・性別・研究への組み入り日時をマッチさせた358342人。除外基準は、化膿性関節炎の既往、痛風、変形性関節炎、リウマチ性関節炎、そのほかの炎症性リウマチ疾患(血清反応陰性脊椎関節炎、乾癬性関節炎、膠原病、血管炎、結晶性関節炎)。

 ④予後因子:生活習慣因子(アルコールや喫煙)、BMI、社会経済的index(Townsend Deprivation index score)、医療機関受診回数、ステロイド使用、Charlson comorbidity index
 ⑤アウトカム:化膿性関節炎の入院か抗菌薬処方。


結果:
 痛風群では90例の化膿性関節炎が、コントロール群では166例の化膿性関節炎が発症した。
 5年後のフォローアップ時には、痛風なしと比べて痛風ありが化膿性関節炎発症と相関していた。HR 2.60(1.93-3.51)

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(本文より引用)

結論:
 新規に痛風と診断された患者は化膿性関節炎のリスクになる

  この辺りはよくカンファでも話題になりますが、単関節炎の鑑別で、仮に関節液で結晶が見えたとしても、5%には化膿性関節炎を合併することがあるので注意が必要。化膿性関節炎の50%はグラム染色陰性なので、グラム染色では化膿性を否定できない、培養陰性も25%はあるという辺りがチャレンジングですよね。
 16sリボソームRNA検査では培養陰性患者の50%で病原体を同定できるとも言われております。

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