栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

2015年まとめ② 2015年論文ベスト5

 独断と偏見で選ぶ今年の論文ベスト5もまとめておこうと思います。
 完全な独断と偏見ですが、去年はSHMに参加したときにannual paperにたくさん取り上げられていてうれしかったのを覚えています。
 ショートサマリーはつけておきますが、興味があれば是非本文までアクセスして下さい。一年間読んで頂き有り難うございました。

 

第5位

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 脂質異常症薬物療法パラダイムシフトが起こるか?というところかもしれません。注目されているPCSK9阻害薬は日本でも臨床試験が行われています。この研究では、「PCSK9阻害薬であるアリロクマブがスタチンに追加する事で更にLDL値を下げ、CVDイベント予防効果が期待できる」という結果にはなっています。もちろん費用が恐ろしく高いこと、皮下注射の製剤であることなどから、現時点での普及は難しいと思いますが、あれだけ効果がしっかりしているスタチンに更に上乗せ効果があることが示されたことは大きいかと思っています。今後の動向に注目です。

第4位

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 これは長年の臨床上の疑問に対する一つの解を提示してくれました。脳梗塞で入院してきた患者さんで既に降圧薬を飲んでいる人って結構多くて・・・。これを続けるべきか止めるべきか・・・
 結果はどちらもmRSで比較した神経予後には変化が無かったという結果に。注意点は、継続群は実は継続できていない人が2-3割はいそうというところでしょうか。多少クロスオーバーしてしまっています。

第3位

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 これは今年あちこちで取り上げられていました。複数RCTが出ているテーマですね。ただ、この研究自体は治療失敗が少なかったとして、ステロイド良いんじゃない?としていましたが、実際のところは治療失敗の多くの部分を”画像所見の変化”が占めていたという問題点がありました。
 ただ、他の追加研究でもやはり重症度の高い肺炎にはステロイドが効果がありそうという結果は出てきています。あとは長期予後への影響でしょうか。

 

第2位

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 これは言わずと知れたエンパグリフロジンの研究。糖尿病治療薬で経口薬でこれだけしっかりと結果を出した薬剤は他にはないかもしれません。もちろん、もう少しエビデンスの蓄積が必要であること、今回はハイリスク患者さんへの使用だったことなど、実臨床へ生かしていくためにはもう少しハードルはありそうです。

 

第1位

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 今年の第一位はこれにしました。やはりその独創性と簡便さ、効果の大きさなど、臨床研究ってこうじゃなくちゃ!と改めてうれしく思った次第。本文中の動画を見るとどのように行ったら良いかがよく分かると思います。
 間違いなく実際の臨床に影響が出る大きな研究でした。残念ながら私自身はまだ実践できていませんが・・・