栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文:RCT クラミジア感染症に対するアジスロマイシン vs ドキシサイクリン

クラミジア感染症に対するアジスロマイシン vs ドキシサイクリンAzithromycin versus Doxycycline for urogenital Chlamydia trachomatis infection

N Engl J Med 2015; 373:2512-2521

【背景】
 Chlamydia trachomatisによる泌尿器性感染症の有病率は高く、生殖障害を発生する率も多い。最近の研究でクラミジア感染症に対するアジスロマイシン効果が懸念されている。

【方法】
 クラミジアによる泌尿器生殖器感染症の治療において、アジスロマイシンのドキシサイクリンに対する非劣性を評価する目的でランダム化比較試験が行われた。青少年施設入所中の若年患者に対して、経口アジスロマイシン(1g単回)と経口ドキシサイクリン(100mg 1日2回を7日間)の2群に割り付けた。
 プライマリアウトカムは、治療開始28日後の治療失敗。治療失敗は、PCR・性行為歴・クラミジア株のOmpA遺伝子型で判断した。

【結果】
 567例が組み入れられ、アジスロマイシン群 284人、ドキシサイクリン群 283人にランダムに割り付けられた。per-protcol集団は各群 155人(男性 65%)だった。ドキシサイクリン群では治療失敗はなし。アジスロマイシン群は治療失敗が5例(3.2%)だった。両群の差は3.2%ポイントで、90%信頼区間の上限が5.9%ポイントで、非劣性証明のための事前決定Δ5%ポイントのカットオフ値を上回った

【結論】
 クラミジア泌尿生殖器感染症に対して、アジスロマイシンの有効率は97%、ドキシサイクリンは100%だった。この研究ではアジスロマイシンの非劣性は証明されなかった。

【批判的吟味】
・何ともハイレベルな治療効果だこと。論文のPICOは、
P:クラミジア泌尿器生殖器感染症患者
I:アジスロマイシン群 1g単回
C:ドキシサイクリン群 100mg 2回/日×7日間
O:治療失敗
T:RCT/ITT解析/非劣性試験、Δ=5%
・平均17歳、男性 65%、過去のクラミジア既往は28%前後
・まあ設定した非劣性マージンを達成出来なかったので、現時点ではDOXYが良いということにはなりますね。
・ただ、単回で良いというのは確かにかなりメリットは高いです。
非劣性試験なのでITT解析ではなくper-protcol解析をしているのは重要です
・ちなみに治療アドヒアランスは、アジスロマイシンを吐いてしまったので2例追跡できず。7日間完遂したのは77%とまずまず。
副作用では、主に消化器症状でアジスロマイシン 23%、ドキシサイクリン 27%だった。重篤な有害事象はなし。

【個人的な意見】
 まあ、これは確かにDOXY>AZMという構図が生まれてしまうんでしょうが、ぶっちゃけ治療効果よりは、内服回数とか服薬アドヒアランスなどの他の因子を元に使用するかを決めてしまいそうです。

 

✓ クラミジア泌尿器生殖器感染症患者では、ドキシサイクリンと比較してアジスロマイシンはやや劣性だった

 

あなたも名医! 名医たちの感染症の診かた・考え方(jmed41) (Jimed)

あなたも名医! 名医たちの感染症の診かた・考え方(jmed41) (Jimed)