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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:39歳男性 大腸癌の家族歴

NEJMのKnowledge+です。
こちらは相変わらず切れ目なく届きますなあ。

症例:39歳男性 大腸癌の家族歴

 39歳男性が、腸閉塞で入院し、巨大な大腸腺癌が肝弯曲近位部に認められそれによる閉塞だった。右半結腸切除術が施行され無事手術は終了した。病理結果では、9cmの大腸腺癌で17個の切除リンパ節では転移を認めなかった。
 家族歴を確認すると、母親と母方の叔母がそれぞれ56歳と59歳で子宮内膜癌に罹患していた。母親には他に兄弟はなく、彼女の父親は40代前半に原因不明の悪化する腹痛と体重減少のために亡くなっていた。患者自身には二人の年下の兄弟がおり、3人の子供がいて、全員元気である。


質問. この症例で隠れている診断名で最も考えられるのは以下のどれか?

  1.   Peutz-Jeghers症候群
  2.   家族性腺腫性ポリポーシス(Gardner症候群)
  3.   BRCA
  4.   遺伝性非ポリポーシス大腸癌(Lynch症候群)
  5.   Li-Fraumeni症候群

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 遺伝性非ポリポーシス大腸癌:HNPCC(Lynch症候群)に最も関連する大腸癌以外の悪性腫瘍は子宮内膜癌である。

回答 4.  遺伝性非ポリポーシス大腸癌(Lynch症候群)

解説:

 遺伝性大腸癌症候群には主要なものとして2つあり、家族性腺腫性ポリポーシス:FAP(Gardner症候群)と遺伝性非ポリポーシス大腸癌:HNPCC(Lynch症候群)である。本患者は巨大は右側結腸大腸癌があり、子宮内膜癌の家族歴があり、HNPCCが強く疑われる。
 FAPと比較してHNPCCは、巨大で浸潤傾向はそれほど強くない右半結腸の大腸癌を来すことが多い。化学療法が必要な場合には、FAP腫瘍と比較して化学療法の効果も良いことが知られている。HNPCCは子宮内膜癌を来すことも多く、それ以外では、卵巣癌・胃癌・小腸癌・膵臓癌・胆管癌・脳腫瘍・上部尿管上皮癌などを来す。
 FAPは遠位大腸のポリポーシス背景に進行性の大腸癌を来たし、十二指腸ポリープ・胃癌・デスモイド腫瘍にかかりやすい。
 Li-Fraumeni症候群は、乳癌・肉腫・脳腫瘍・白血病と関連する。
 BRCA変異は未分化型の乳癌や卵巣癌と関連し、それ以外には膵癌や前立腺癌を合併する。
 Peutz-Jeghers症候群は、胃腸の過誤腫性ポリープが特徴的である。また、口唇周囲や口腔内、鼻腔・眼近傍、肛門周囲に黒色色素斑が見られ、消化器癌・膵臓癌・子宮頚癌・卵巣癌・乳癌のリスクになる。

Citations

  • Giardiello FM et al. Guidelines on genetic evaluation and management of Lynch syndrome: a consensus statement by the US Multi-society Task Force on colorectal cancer. Am J Gastroenterol 2014 08; 109:1159. 
  • Lynch HT and de la Chapelle A. Hereditary colorectal cancer. N Engl J Med 2003 03 6; 348:919. 

 家族歴は重要ですが、実際疑ったら遺伝カウンセリングなどは必須ですね。なかなか難しい問題です。

大腸癌の診断と治療update (大腸疾患NOW 2016)

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