栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文抄読会:JAMA & NEJM 心不全へのネプリライシン阻害薬/病院での緩和ケアレビュー

■JAMA■

心不全へのネプリライシン阻害薬 
Valsaltan/Sacubitril for heart failure

 心不全に対するネプリライシン阻害薬の効果が2015年に報告され、FDAは7月にNYHA 2-4のHFREFに対して、ARB/ネプリライシン阻害薬を認可しています。根拠となったのは、以前このブログでも取り上げましたが、8000人の心不全患者を対象としたPARADIGM-HF研究一つのみです。

tyabu7973.hatenablog.com

 ARB/ネプリライシン阻害薬の合剤はACE-iと比較して死亡率を19.8% vs 17.0%で有意に低下させたというのが認可の根拠になっています。確かに、心不全患者の予後改善効果のある薬剤の新規認可は喜ばしいところではあります。

 一方で、このネプリライシンは実は様々なペプチドを分解する酵素であることが知られており、そのペプチドの一つにアミロイドがあると言われています。ネプリライシンを阻害することによって、アミロイドが分解されることで弊害が出るのでは?と危惧されています。具体的には、眼や神経でのアミロイド沈着が危惧されており、マウスでは脳でネプリライシンが過剰発現すると認知症が改善し、ネプリライシンを阻害すると認知症が増えると報告されています。また、眼ではネプリライシンを注入することでアミロイドβが減少、ネプリライシンを阻害すると加齢黄斑変性が増えることが報告されています。

 もちろん、現時点で認可の根拠となったPARADIGM-HF研究で認知症が増えたり、脳のアミノロイドβが増えたという報告はありませんが、今後長期フォローアップしないと認知症発症までは至らないかもしれません。FDAは認知機能をアウトカムにしたRCTを義務づけており、今後の結果が待たれています。やはり新薬の長期予後が分かるまでは処方には慎重でありたいですね。
(J.K.)

 

✓ ネプリライシン阻害薬は認知症加齢黄斑変性発症リスクになる可能性があり調査中

 

 

■NEJM■

病院での緩和ケアレビュー 
Comfort care for patients dying in the hospital

0.はじめに:
 ・死亡数日-数週間の症状緩和スキルに関しての総説。
 ・緩和専門医よりgeneralistやSpecialist向けのEvidence-besedな対応をまとめた。
 ・緩和に必要なコミュニケーションスキル・目標の設定・こころとスピリチュアルな痛みの緩和は付随的に扱った。
 ・死が非常に近い入院患者への迅速な対応をまとめた(時間的猶予のある場合の診断治療に関しては触れず)

 

1.病棟診療での緩和ケアスキル
 ・米国では病院で亡くなるケースはまだまだ多い。2010年 全死亡の29%、平均入院日数7.9日(NCHS Data Brief2013:1-8)
 ・終末期の患者は何種類もの苦痛症状が出現(J Am Geriatr Soc 2000;48:Suppl:S110-S121 Crit Care Med 2010;38:2155-2160)
 ・死期が近づくにつれ症状が増悪(J Pain Symptom Manage2014September19)
 ・進行癌、CHF、COPDなどまだまだ症状緩和は不十分(J Am Geriatr Soc 2000;48:Suppl:S101-S109 Palliat Med 2005;19:485-491)
 ・症状評価は終末期に近づくほど重要になる(National Academies Press, 2014.)
 ・緩和ケアが終末期患者のQOLを改善するのは周知の事実(Cancer J 2010;16:423-435)
 ・緩和ケア専従医の不足→終末期医療の担い手が必然的にGeneralistや他科専門医のということに(J Pain Symptom Manage 2010;40:899-911 N Engl J Med 2013;368:1173-1175)
 ・「患者の快/不快を知るスキル」が臨死期ケアの従事者に必要(Crit Care Med 2008;36:953-963)

 

2.終末期の目標設定:コミュニケーションの重要性

■終末期の価値観/目標/嗜好を論議する為の指針■
 ・死が迫った時よりも罹患後早期に話し合う。患者の状態が変わった時に再度相談する。
 ・患者が現在の状態や診断/治療オプションをどう理解しているか確認する
 ・家族とどう情報共有したいかを確認する。何を知りたいか、何を知らされたくないか、方針決定やケアを考える上で何を念頭に置くか。重要な決断は誰がするか。家族?両親?医師?協議しながら決めたいか否か?
 ・患者からの病状に関する質問に対し、極力明白で簡潔な専門用語の含まれない言葉で返答する。患者や家族の誤解している内容を明白にする。予後を理解しなければ決断など出来ないのだから。
 ・「何か心配や不安な事はありますか」と患者の関心事に耳を傾ける(症状を緩和したいと思っている事を伝える)
 ・患者に取っての受け入れがたい状況(例:無期限に挿管される/家族と意思疎通が出来なくなってしまう)を聞き出す
 ・現状と予後が理解出来たら、患者の価値観/目標/嗜好を明確化する。
 ・情報を共有した上で、終末期のプランを決める。
※不要な治療はされない様に配慮を。検討出来る時間的配慮を。
(JAMA Intern Med 2014;174:1994-2003  J Clin 2005;55:164-177 J Palliat Med 2005;8:Suppl 1:S95-S102 Med J Aust 2007;186:Suppl 12:S77, S79, S83-10)

  ・最優先されるべきは患者の要望。よく話し合う事。(JAMA Intern Med 2014;174:1994-2003)
 ・延命処置(透析や心肺蘇生)の差し控えや中断、患者に取っての適切な検査(PET/CT、バイタル測定)は何かを考える上で必要不可欠
 ・終末期の目標を話合う事が延命治療の回避、集中治療室での死亡、ホスピスの早期導入に繋がる。(JAMA 2008;300:1665-1673 J Clin Oncol 2010;28:1203-1208)

 

3.緩和ケアを理解する

■終末期の入院患者に緩和ケアを提供する指針■
 ・死の過程は極力苦痛を排除。患者/家族の苦痛は専門技能を以て排除
 ・他職種で連携・強調して意思疎通し患者/家族のケアに介入する。
 ・看護ケア(口腔ケア/褥瘡ケア/温冷罨)は心理療法士/MSW/音楽療法士/ボランティアとも協調し患者家族の要望を最優先する
 ・精神/宗教的ケア→必要なら聖職者のケアを
 ・診断治療は愛する人との時間が減りQOLを損ねる事の無いように必要性を吟味。最期の数日にバイタル測定もモニターも無意味。有益性のない治療(DLのスタチン等)は中止。口腔/スキンケアや体位交換は症状が緩和されるなら行う(そうでない事もあるから注意)
 ・侵襲的処置(チェストチューブ抜去、人工呼吸の中断など)の前は予防的沈痛/鎮静を行い、処置直後の苦痛や不快感を軽減する
 ・末梢や経鼻胃管での栄養は生命予後にに寄与しないため強制はしない。食べたいときだけ食べてもらう。家族への教育も重要
 ・在宅で療養するのが妥当であればその道筋をつける。死に行く人は大抵家に帰りたがっている。家族も在宅ケアをする事で満足度が上がる。
(JAMA Intern Med 2015;175:691-700 Am J Crit Care 2004;13:292-301 Crit Care Med 2012;40:625-630 JAMA 2004;291:88-93)

  ・『心肺蘇生をしない』『患者に説明をしない』と判断→「臨死期の患者に最大限の緩和ケアをしなくてもよい』と誤解をする場合がしばしばあるため注意!(J Gen Intern Med 2011;26:791-797)
 ・指示に「緩和ケア対応」と書くだけではダメ。より良い緩和/不要な介入を防ぐためケア全体を見直す!
 ・稀に患者の目標=生命維持という事もありうる Ex.愛する人が遠方から来るまでは人工呼吸器も厭わない Ex.患者の信仰/文化的理由から治療中断を望まない(Crit Care Med 2008;36:953-963)
 ・侵襲的処置で症状緩和する事もある Ex.胸水による呼吸困難に対して穿刺で改善

 

4.終末期患者の症状に対する根拠に基づいた対応
 ・基礎的なガイドラインから抜粋(J Pain Symptom Manage2014September19)
 ・質の高い研究が少ない領域。似たような患者群での研究を転用したりコンセンサス提言に留まったりという限界。
 ・簡便で安価かつ認知度が高く使い易い薬剤を幾つか紹介。
 ・入院患者なのでIVを基本にしつつもIV確保困難などの場合は皮下投与や間欠投与なども適宜併用。(J PalliatMed 2008; 11: 1319-24.)

■疼痛■
 ・死亡3日前の終末期患者の40%に中-重度の痛みがある(JAMA 1995; 274: 1591-8.)
 ・疼痛の有無と程度を10段階評価などで直接問診(J Pain 2003; 4: 2-21.)
 ・認知症などで言葉で疼痛を表現出来ない場合は苦悶表情・呻き声・体を摩るなど非言語的表現も加味
 ・FS1-3程度の軽度の疼痛ならアセトアミノフェンやNSAIDs内服。疼痛が残るようなら低容量の内服オピオイド。内服困難になったら等量の点滴オピオイド。末梢確保困難なら別の薬
 ・便秘は必発。予防的対応が必須。他の副作用は過鎮静・昏迷・嘔気・皮疹・ミオクローヌス・尿閉etc(J Pain 2003;4:231-256)
 ・過剰なオピオイドは終末期の過鎮静・興奮の原因(J Palliat Med 2007;10:345-351)
 ・透析など腎不全があると神経毒性が出易いため注意が必要 
 ・肝不全患者も容量調節が必要(J Pain Symptom Manage 2004;28:497-504)
 ・容量制限による副作用、一般的副作用、鎮痛不十分ならローテーション(Cochrane Database Syst Rev2004:CD004847-CD004847)

神経障害性疼痛:体性痛と内臓痛に分類■
 ・一般にオピオイドでは鎮痛不十分(Cochrane Database Syst Rev 2013;8:CD006146-CD006146)
 ・余命数日以内だと除痛困難。ステロイドは有効かも(Cochrane Database Syst Rev 2015;4:CD010756-CD010756)
 ・モルヒネ+ガバペンチンは単剤より有効(N Engl J Med 2005;352:1324-1334)
 ・リドカイン貼付、抗鬱薬などは予後がもう少し良い時に考慮

■各種薬剤の力価換算・薬理作用■

f:id:tyabu7973:20160119003122j:plain(本文より引用)

■呼吸困難■
 ・衰弱に伴い出現。息が詰まるような不安を起こす
 ・研究は呼吸困難の程度が変化した時が最適だが症状緩和のdelayが無いように注意が必要
 ・COPDと癌患者での研究→オピオイドの有効性を実証(Can Respir J 2011;18:69-78 BMJ 2014;348:g445-g445 J Clin Oncol 2008;26:2396-2404)
 ・呼吸抑制等の副作用に留意が必要(Chest 2015;147:232-241)
 ・容量は中等症の疼痛に似るが少量でも十分ともBMJ 2014;348:g445-g445)
 ・急激・重度→点滴モルヒネVolus→症状緩和後持続IV開始
 ・呼吸困難による不安がある場合→BZPを追加するが科学的根拠はなし。(Cochrane Database Syst Rev2010:CD007354-CD007354)
 ・低酸素のない癌・心不全に酸素投与する利点はなし。(Cochrane Database Syst Rev2008:CD004769-CD00476)
 ・低酸素の無いCOPDは症状緩和効果があるかもしれない(Cochrane Database Syst Rev2011:CD006429-CD006429)
 ・心理サポート・リラクゼーション・呼吸訓練も有効(Palliat Med 2008;22:693-701)
 ・顔面をクーリングするのも有効(Pain Symptom Manage 2010;39:831-838)
 ・窓を開ける/室温を下げる/空気を加湿する/頭部挙上も有効(Cancer J 2010;16:507-513) 

■咳■
 ・癌終末期の60%、悲癌終末期の70−100%に見られる(Dtsch Arztebl Int 2013;110:563-571)
 ・オピオイドは咳中枢に作用し低容量で鎮咳効果(Drugs 2005;14:19-27 Am J Respir Crit Care Med 2007;175:312-315)
 ・慢性咳漱にはガバペンチンも有効(Expert Opin Pharmacother 2015;16:135-145)

■口腔乾燥症■
 ・終末期に頻繁に見られる。薬剤(抗コリン/オピオイド/抗ヒスタミン)、頭頚部放射線療法、脱水 etc.
 ・治療:不要な薬剤の中止、唾液腺刺激薬、人口唾液
 ・副交感神経作動薬(ピロカルピン/セビメリン)は有効、ただし実際は経口投与のため実際は使い勝手が悪い(Ther Clin Risk Manag 2015;11:45-51)

■口咽頭分泌物■
 ・口腔/気管支分泌物の絡みは最期の数日で見られる
 ・『death rattle』
 ・咳反射が消失している→周囲には苦しそうに見えるが本人には苦痛なし(J Pain Symptom Manage 2014;47:105-122)
 ・声帯が揺れて起こるgrunting(ブウブウ音)も同様(Cancer 2015;121:960-967)
 ・適切な体位交換、家族への説明が重要
 ・終末期に抗ムスカリン薬(アトロピン/グリコピロン酸)を推奨する症例報告以上の根拠はなし(Cochrane Database Syst Rev2008:CD005177-CD005177)
 ・試しても良いがせん妄や鎮静など副作用のため推奨せず
 ・不快感は無い事、害に勝る利点が無い事を説明すべき 

■嘔気・嘔吐■
 ・原因:オピオイド、他の薬剤、尿毒症、腸閉塞、腸管麻痺、腹水、頭蓋内圧亢進 etc.
 ・治療は原疾患対応:頭蓋内圧亢進→ステロイド、腸管麻痺→メトクロプラミド、前庭障害→抗ムスカリン、抗ヒスタミン、腸閉塞→オクトレオチド+ステロイド(Clin Interv Aging 2011;6:243-259 Gastroenterol Clin North Am 2015;44:97-111  BMJ Support Palliat Care 2015;5)
 ・終末期の嘔気/嘔吐は多因子・原因不明が多い(Pain Symptom Manage 2010;39:756-767)
 ・個々の治療の根拠は限定的 ハロペリドールも汎用(Clin Interv Aging 2011;6:243-259)
 ・化学療法関連のものにはセロトニン拮抗薬が第一選択、単剤もD2拮抗薬、1/2世代抗ヒスタミン薬との併用も(Clin Interv Aging 2011;6:243-259)
 ・ステロイドはメトクロプラミド単剤か併用かのRCTで有意性を示せず(J Pain Symptom Manage 2004;28:381-388)
 ・BZPは化学療法時の制吐で使用されるが本来は不安による嘔気嘔吐の時に使用。(Clin Interv Aging 2011;6:243-259)

 ■便秘■
 ・脱水/不動/薬剤/消化管閉塞など多因子
 ・オピオイドの場合は予測可能。初期処方時対応を
 ・経口可能なら刺激薬(センナリド)や緩下薬 ※センナ単独で有用性認められず(J Pain Symptom Manage 2013;45:2-13)
 ・メチルナルトレキソン:オピオイド関連便秘に適応。高価。経口摂取困難ないしは通常治療で反応しない時に考慮(N Engl J Med 2008;358:2332-2343 J Palliat Med 2015;18:593-600)

 ■食欲低下・悪液質と補液・栄養■
 ・ステロイドは一時的に食欲するが根本的に有効な薬剤はなし(Cancer J 2010;16:507-513)
 ・人工栄養や補液が脱水症状やQOLを改善したという研究なし(J Clin Oncol 2013;31:111-118 Cochrane Database Syst Rev2008:CD006274-CD006274)
 ・但し個人の価値観/文化/宗教的価値観を十分考慮して患者毎に相談し妥協案を模索するべし Ex根拠がない事を知った上で少量のブドウ糖輸液をする 

■発熱■
 ・臨死期に見られる症状。腫瘍/感染/薬剤/中枢神経損傷?
 ・アセトアミノフェン、NSAIDsなど解熱剤が有効
 ・抗生剤:一般的には終末期の緩和に有効という根拠なし(J Palliat Med 2010;13:535-540)
  ※感染症の治療が患者の目標に合致するのであれば適応になりうる(例:肺炎の咳を緩和する など)

■不安・不眠■
 ・身体/精神/社会/実存的価値に今後起こる事への不安 → 残りの人生のQOL低下、不安障害
 ・患者個人の「慰め」になることは何かを考える 懸念事項を明らかにし対応 → 安心感と支えをもたらす
 ・不安がQOL低下に関連しているなら薬物療法も考慮 
 ・特に鎮静も考慮しているようなとき
 ・終末期の不安への治療は専門家の意見ではBZDが有効とされるが根拠が未確立な領域(Syst Rev 2012;11:CD004770-CD004770 J Palliat Med 2013;16:38-43)
 ・睡眠障害/不眠も終末期のコモンな問題(J Clin Oncol 2001;19:895-908)
 ・身体的不快感が重要な原因
 ・非薬物治療:夜は部屋を静かで快適な環境にする(Cancer J 2010;16:507-513)
 ・どの薬剤が良いかは情報少ないが不安が原因になっている場合は短時間作用型BZDが睡眠を改善(CMAJ 2000;162:225-233 Cancer J 2010;16:507-513)
 ・非BZPも有効 

■せん妄■
 ・死期が近づくにつれ高頻度に見られる(Cancer J 2010;16:507-513)
 ・原因:臓器不全/薬剤副作用/鎮痛不十分/CNS/感染
 ・典型的症状:覚醒度の変容/注意力障害/思考能力障害
 ・落ち着きがない、疑り深いなど分かりにくい事も
 ・軽症は見逃され易く家族も正常と誤解している事も Ex.睡眠時間が足りないせいだと思い込むなど
 ・終末期のせん妄対応はメタ解析や質の高いRCTは皆無に近い(Cochrane Database Syst Rev 2012;11:CD004770-CD004770 J Pain Symptom Manage 2014;48:215-230)
 ・高活動せん妄(興奮、落ち着かない、情緒不安定)
 ・低活動性せん妄(平坦環状、無感情、無気力、反応性低下) → 抗精神病薬ハロペリドール)が汎用(Am J Psychiatry 1996;153:231-237)
 ・非定型抗精神病薬(オランザピン/クエチアピン)も有効(Curr Psychiatry Rep 2015;17:550-550)
 ・知名度と汎用性(経口もIVもある)からハロペリドールに軍配
 ・せん妄にBZDが有効とする根拠はなし(Cochrane Database Syst Rev 2009;4:CD006379-CD006379)
 ・例外はアルコールと低活動性せん妄(N Engl J Med 2014;371:2109-2113)
 ・BZDはせん妄を増悪させるparadoxical reactionがある
 ・実臨床では他剤でコントロール出来なかった時や鎮静したいときには注意しながら使う(Curr Psychiatry Rep 2015;17:550-550)
 ・非博物療法:周囲環境への見当識の確認、増悪因子の除去(疼痛や感覚遮断)、雑音などの不快な刺激を回避(Lancet 2014;383:911-922) 

■終末期の鎮静■
 ・対症しても症状緩和されない時に考慮(Ann Intern Med 2009;151:421-424)
 ・倫理的にも妥当な手法として広く認識(Palliat Med 2009;23:581-593)
 ・症状は症状緩和であり自殺幇助や安楽死とは異なる
 ・代理意思決定者の同意が必要
 ・緩和/倫理学/心理学など多分野への事前相談が望まれる

 

5.まとめ

 ・1967年にロンドンの聖Christopher病院で産声
 ・緩和医療は全世界に浸透した
 ・知識も対症方法も大幅に進歩
 ・一般医と専門医が互いに手をとり協力していく時代!
 ・本稿を通して専門外の人たちに入院緩和ケアの基礎を

 (I.C.)

✓ 病院における緩和ケアの概要について理解しておく