栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics カルシウムサプリと50歳以上の骨折リスク

ACPJCで最近話題のカルシウムさん登場です。

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Calcium intake and risk of fracture: systematic review. 

Bolland MJ, Leung W, Tai V, et al. 

BMJ. 2015;351:h4580.

臨床上の疑問:
 食事由来のカルシウムやカルシウムサプリメントが50歳以上の成人の骨折リスクと関連するか?


Review範囲:
 50歳以上の成人対象の、食事中のカルシウム含有食品(牛乳・乳製品・ヒドロキシアペタイト等)やカルシウムサプリメントを単独もしくは他の治療(VitDなど)併用で
投与した研究で、併用治療は両群ともに行われている。除外基準は、主要な原疾患(腎不全や悪性腫瘍)。プライマリアウトカムは骨折

Review方法:
 MEDLINE・EMBASE/Excerpta Medicaと検索されたRCT・観察研究・症例対照研究・横断研究のリファレンスリストから孫引き。
 食事中のカルシウムを評価したRCTが2件(n=293人)。これは併用療法なし。
 カルシウムサプリメントを評価したRCTが26件(n=69107人、平均年齢 52-86歳、女性0-100%、follow up 1-7年)で、単独が14RCT、ビタミンDトノ併用療法が8RCT、複数組み合わせ4RCTだった。
 この中で20RCTは、カルシウム量が1000mg/日以上で、バイアスリスクが低いのは3RCT、中等度が9RCT、高いのが13RCTだった。
 カルシウムサプリメントの効果がメタ解析として報告された。

結果:
 低リスクバイアスの研究のメタ解析によると、カルシウムサプリメントは骨折を減らさない。全ての研究結果でのメタ解析では骨折リスクが減少する。

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(本文より引用)

結論:
 50歳以上の成人の研究の中でバイアスリスクが低い研究のメタ解析では、カルシウムサプリ面は骨折を減らさなかった。

  カルシウムサプリメント心筋梗塞脳卒中プラセボより15%増やすことが知られています。そして今回見たとおり質の高い研究に限れば、カルシウムを取っても骨折は減らないという結果でした。使用したカルシウムがクエン酸ではなく炭酸カルシウムなので吸収率がおちているのでは?など、いくつか解釈はありますが、あまりカルシウムをたくさん取っても有意な実感を伴う効果は期待出来なそうです。

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