栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

NEJM Knowledge+:8ヶ月男児 牛乳開始後

NEJMのKnowledge+です。
8ヶ月児の問題です。

症例:8ヶ月男児 牛乳開始後 

 8ヶ月男児 6週間前から間欠的な発疹・下痢・嘔吐あり。児は6ヶ月までは母乳育児で、その後牛乳へと移行していた。移行後数週間してから、3日間持続する嘔吐・下痢症状があったがすぐに改善。

 児は今非血性の一日数回の下痢症状があり腹部膨満感を訴えている。1時間ほど啼泣することがあり、経口摂取後に多い。時折嘔吐あり。持続的に鼻汁や蕁麻疹が一日おきに出現している。

 児の体重と身長は30-50th パーセンタイルに留まっている。身体所見は他には異常ないが、上腕や体幹に掻跛痕あり。


質問. この児で最も考えるべき診断はどれか?

  1.   牛乳蛋白アレルギー
  2.   ウイルス性胃腸炎
  3.   Clostridium difficile enterocolitis(CDI
  4.   Celiac病
  5.   乳糖不耐症

 

Key Learning Point

After initiation of a continuous intravenous insulin infusion in a patient who is in a hyperosmolar hyperglycemic state, the serum sodium level is expected to increase. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
高 血糖高浸透圧状態にある患者において持続静脈内インスリン注入の開始後、血清ナトリウムレベルが増加すると予想される。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1232/answer/E/?source=qowemail&inf_contact_key=17b5698a6684a395d9fc82ffb22e1fa91de10b4fde895a56d5112390edd38a2a#sthash.U24I63Zx.dpuf
患 者に害を引き起こす医原医療ミスを伝えるための適切な方法は、エラーのオープンで正直なアカウントを提供し、患者に正式に謝罪することです。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/1015/answer/B/#sthash.vBmBG3vd.dpuf
慢 性閉塞性肺疾患の増悪と高炭酸ガス呼吸不全や肺炎の証拠で入院した患者は、気管支拡張薬治療、全身グルココルチコイド、およびフルオロキノロンまたはマク ロライド系抗生物質で治療すべきである。 - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/235/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=5867c46d2a7fbaecc6edeccb8b5f2d7372c2badebfd1c8e5638e924cb4d6a052#sthash.X4dusLJi.dpuf
The gradual development of arm weakness and Horner’s syndrome in an older former smoker is most indicative of a diagnosis of an apical bronchogenic cancer known as a Pancoast’s tumor. - See more at: http://knowledgeplus.nejm.org/question-of-week/932/answer/A/?source=qowemail&inf_contact_key=8b697793f3c2f6a9d68dcdc1826ffea87b269461ef7de16dbcbb80275770fc7a#sthash.YmYXCOj2.dpuf

 牛乳蛋白アレルギーは、多臓器症状があるか否かで乳糖不耐症と鑑別する。

回答 1.  牛乳蛋白アレルギー

解説:

 本患者の消化器症状および蕁麻疹症状は、牛乳蛋白アレルギーを示唆する。これは主に牛乳を摂取し始めたタイミングと症状発症のタイミングがリンクしているためである。

 牛乳蛋白アレルギーは、多くの場合に腹痛・嘔気・嘔吐・下痢・食欲低下・体重増加不良などの消化器症状を呈する。さらに、慢性咳嗽や喘鳴、鼻汁などの呼吸器症状や、蕁麻疹・湿疹・血管性浮腫などの皮膚症状、更にはアナフィラキシーなどの重篤な全身症状を合併することがある。多くの乳児は発症1年以内に複数臓器の症状が出現し、多くの場合牛乳を摂取開始数ヶ月後から症状が出現する。

 乳糖不耐症は、牛乳蛋白アレルギーと同様に消化器症状を来すが、他の臓器の症状を来すことは稀である。この部分が乳糖不耐症と牛乳蛋白アレルギーを鑑別するポイントになる。乳糖不耐症は、小腸における乳糖活性が低下することが原因で、遺伝性のものとウイルス性胃腸炎後などに生じる2次性のものがある。原発性乳糖分解酵素欠乏症では、多くは乳幼児期に症状が出るが、中には小児期になるまで症状が出ないこともある。米国では乳糖不耐症は、黒人やアジア人に多いことが報告されている。

 ウイルス性胃腸炎は、嘔吐・腹痛・下痢と関連するが、本患者では牛乳開始と呼吸器症状との関連があることから牛乳蛋白アレルギーの方が疑わしい。

 CDIは、乳児では珍しく通常抗菌薬使用と関連する。症状は頻回の下痢で時折血便が出現することもある。発育正常でこれまでにグルテンに曝露されている可能性が少ないことを考慮するとCeliac病は本患者では考えにくい。ほとんどの乳児用調整粉乳はグルテンフリーである。

Citations

  • De Greef E et al. Diagnosis and management of cow's milk protein allergy in infants. World J Pediatr 2012 02; 8:19.  
  • Vandenplas Y et al. Treatment of Cow's Milk Protein Allergy. Pediatr Gastroenterol Hepatol Nutr 2014 03; 17:1. 
  • Heyman MB et al. Lactose intolerance in infants, children, and adolescents. Pediatrics 2006 09; 118:1279. 

 乳糖不耐症と牛乳蛋白アレルギー。なかなか縁はないですが、勉強になりました。

食物アレルギーハンドブック 2014 子どもの食に関わる方々へ

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