栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Therapeutics COPD患者ではチオトロピウムはイプラトロピウムと比較して肺機能を改善し副作用は少ない

ACPJCではCOPDに対するLAMAガチンコ比較でしょうか。
そろそろネットワークメタか解析が必要でしょうか 

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Tiotropium versus ipratropium bromide for chronic obstructive pulmonary disease. .

Cheyne L, Irvin-Sellers MJ, White J.

Cochrane Database Syst Rev. 2015;9:CD009552.


臨床上の疑問:
 COPD患者ではチオトロピウム(スピリーバⓇ)とイプラトロピウム(アトロベントⓇ)吸入の効果はどちらが高いか?


Review範囲:
 中等度〜重症のCOPD患者に対するチオトロピウムとイプラトロピウムの効果を12週間以上評価した研究を組み入れ。他の吸入ステロイドや併用薬はランダム化せずに追加可能。
 アウトカムは、FEV1.0のベースラインからの変化や、重篤な有害事象、入院、死亡率など

Review方法:
 Cochrane Airaway Group Specialised Register(Cochrane Central Register of Controlled trial含む)・MEDLINE・EMBASE/Excerpta Medica・CINAHL・AMED・PsycINFO・ClinicalTrials.govを2012年11月から2015年8月までの期間で検索。reference listも参考に、2012年11月以降に報告されたRCTが検索された。呼吸器科雑誌や会議録も対象。筆者や会社にもコンタクトを取って資料を集めた。
 2つのRCT(n=1073人、平均65歳、>69%男性)が組み入れ基準を満たしていた。1つは12週間、
もう一つは12ヶ月のフォローアップ期間だった。両方とも資金提供はBoehringer Ingelheimだった。両方のRCTは適切にランダム割り付けされ、患者や社員には盲検化され、フォローアップもなされた。1つの研究が割り付けやアウトカム評価者の盲検化が不明だった。

結果:
 オトロピウムはイプラトロピウムと比較して、
12週後も12ヶ月も有意にベースラインと比較してFEV1.0値を増加させた。
 チオトロピウムは副作用が少なく、入院も減らしたが、死亡率は変わらなかった。 

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(本文より引用)

結論:
 COPD患者ではチオトロピウム(スピリーバⓇ)はイプラトロピウム(アトロベントⓇ)吸入と比べて、FEV1.0を増加させ、副作用を減らし、増悪を減らす結果だった

  COPD吸入薬としては、中等症以上の重症度の患者さんでは、アトロベントⓇよりはスピリーバⓇに軍配が上がる形でした。どうしてスピリーバⓇの方が良いのか?というとコメントには、一日一回は、持続的に気管支を拡張し、アドヒアランスを改善する効果があるとのこと。また、吸入手法についてもドライパウダーとソフトミスト製剤があるため、アトロベントⓇは、適切な手技が必要で面倒だと言います。さらにチオトロピウムⓇは好酸球性および好中球性の炎症を抑える効果があるとされています。

ガイドライン/ガイダンス COPD―こう診る・こう考える

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