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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

デスカンファ:サービスをいれない!

デスカンファ

 デスカンファは少し前のエントリーですが振り返ってみます。これは結構興味深かったです。 

 80代の男性。B型肝炎による非代償性肝硬変。8年ほど前から肝性脳症や腹水貯留・食道静脈瘤破裂などで何度も入退院を繰り返していた。腹水がたまると入院し、利尿剤で軽減して退院すると、今度は肝性脳症で再入院してくる・・・そんな日々が続いた。
 
 普通は嫌がられてしまうこんな患者さん。不思議とみんなから「かわいい」「かわいい」とよく受けいられていた。主治医も毎回入院へ応需し、適当なタイミングと入院期間で退院していく状態だった。

 介護者は長男のみであり、介護サービスの導入も検討しても良かったかもしれないが、亡くなる数ヶ月前に初めて介護保険を申請するまでは一切サービスを利用することなく息子さんのみで介護を継続していた。

 最終的には肝性脳症のコントロールがつかなくなり、食事摂取もできず、入院して永眠された。

(一部プライバシーの観点から内容を変更しています。)

  普通、なかなか嫌がられてしまうリピーターさん。この方がみんなに愛されていたのは、「感謝のことば」「ねぎらいのことば」そして「笑顔」だったそうです。そして主治医への「絶対の信頼」もありました。


 そしてもう一つ。なんでこんな入退院して大変な人に介護サービスを入れなかったんだろう・・・って素朴に考えていましたが、主治医からの一言。

「この方にサービスを入れると直ぐに異常に気付かれて家にいられる時間が短くなる。息子さんも本人もここぞというタイミングは分かっていて、主治医の外来のタイミングに必ず受診する方々だった。サービスが入って、バイタルや体重などの定期測定が入ることが逆にマイナスになる可能性があった。」

 なるほどー。それは確かにあるよね〜。医療も介護もともするとお節介。どこかのSNS「デイサービスに行きたくない人の気持ち」という話題があったけど、この時代に「サービスを受けないことのメリット」は本気で考えてもいいよなあ、と思いました。もちろん、恩恵を受ける方もたくさんいますけどね。そうでない人もいるという理解が大事!勉強になりました。

終末期チームケアアプローチ―患者の「いきがい」ケアの「やりがい」を両立させる

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