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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:我々はGraves病と呼ぶ!/Toe Brachial index/転移性肺腫瘍と敗血症性塞栓

カンファ 内分泌 歴史 循環器 呼吸器 悪性腫瘍

今週のカンファ。って先週じゃん!

我々はGraves病と呼ぶ! We call Graves disease

 まあ本当にどうでも良いエントリーなんですが・・・皆さんはBasedow病派ですか?Graves病派ですか?え?どっちでも良いって?
 一般的には欧米圏ではGraves病、本邦ではBasedow病と呼ばれることが多い模様ですね。Gravesさんはアイルランドの医師で1835年に初めて報告、その後ドイツのBasedow伯が独自に1840年に報告しています。実は当時は甲状腺の病気とは分かっておらず、Gravesさんは心臓疾患説を押していました。Basedowさんは目が原因では?と。ちなみにこの頃の有名な医師達であるCharcot先生は神経、Osler先生は延髄原因と考えていた模様です。

 結局日本はドイツの流れを汲んだので、Basedow病と呼んでいますが、一般的には最も最初に発見した先生に敬意を払ってGraves病と呼ぶべきでしょう(笑)・・・。まあちょっとしたネタです。

http://m1.wyanokecdn.com/09895253bc5611a5682b9a5c00fc9017.jpg
http://m1.wyanokecdn.com/09895253bc5611a5682b9a5c00fc9017.jpgより引用)


 ちなみに、Graves diseaseのwikipedia海外版を見ていたらNotable caseにAyakaって書いてありました。なんとGeorge Bushより上。すげーな。


 ✓ もし良かったらGraves病と呼んであげてください。

 

 

Toe Brachial index  Toe Brachial index

 ABIはまあしょっちゅう測定していると思いますが、測定部位によってTBIってやつがあります。これは足首(ankle)ではなく、指尖(Toe)の部分での血圧比を評価するやり方です。

 具体的にはこんな感じ

https://www.perimed-instruments.com/upl/images/382569_732_345_2_0_thumb/toe-pressure-1.jpg
https://www.perimed-instruments.com/upl/images/382569_732_345_2_0_thumb/toe-pressure-1.jpgより引用)

 TBIが出てきた経緯としては、高度な石灰化によって駆血時の血流遮断が強くなり、適切な下肢動脈硬化の評価が困難になるため、石灰化の及びにくい足趾を代用しようという試みの様です。上記の様な足趾専用のカフ付きドップラー計が必要になります。また、カットオフ値は0.6と更に低め設定になる様です。

 ✓ Toe Brachial indexは末梢の動脈硬化病変を評価可能である

 

 

転移性肺腫瘍と敗血症性塞栓 Multiple lung meta vs septic emboli

 ズドーンという感じでした・・・この際ですから多発肺結節を見たときの鑑別をおさらいしておきます。実際列挙してみると色々あるなあとあらためて反省です。
 
 鑑別は主に①腫瘍性、②感染性、③非感染性肉芽腫に分類されます。腫瘍性では、やはり転移性肺腫瘍が多いですが、それ以外には悪性リンパ腫やリンパ増殖性疾患、過誤腫、平滑筋腫など多彩です。感染性では、敗血症性塞栓に加えて、結核性肉芽腫、真菌・ヒストプラズマ・ノカルジア・水痘肺炎など。非感染性肉芽腫では、サルコイドーシス・リウマチ結節、アミロイドーシスなど多彩です。
 
 今回、特に敗血症性塞栓との鑑別に悩みました。敗血症性塞栓は基本的には、膿瘍もしくは塞栓として生じ、0.5-3.0cm程の大小様々な類縁型、辺縁がきれいで、下葉の末梢有意に出現する傾向にあります。空洞はコモンな所見で、壁は薄く、梗塞は逆ハローサインを呈します。

http://1.bp.blogspot.com/-os7lfLf8Xts/U7DuSF5B-DI/AAAAAAAAGG0/CbrJzDY8dVo/s1600/cop1.jpg

(http://1.bp.blogspot.com/-os7lfLf8Xts/U7DuSF5B-DI/AAAAAAAAGG0/CbrJzDY8dVo/s1600/cop1.jpg
より引用)

 ✓ 転移性肺腫瘍と敗血症性塞栓の鑑別は、逆ハローサインか。