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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

今週のカンファ:Werner症候群/ペースメーカーとMRI/Klebsiella眼内炎

今週のカンファ。
金曜日はまた医学生さん来てくれました。そして来週も学生さん。
皆様是非見学へお越しください!

Werner症候群 Werner syndrome

 どうやったら診断できるか・・・。個人的には大反省。rare diseaseはハンターにならないと見逃します
 
 Werner症候群は早老症の一つ。ドイツの内科医Otto Werner先生が1904年にアルプス地方在住の家族を報告しています。幼少期から発症する早老症であるプロジェリア症候群と比較すると、成人で発症することが多く、私達の目の前に現れることも十分あり得ます。そしてなにより日本人に多いと言われており、十分認知されていない可能性があります。

 プレゼンテーションとして、「治りが悪い糖尿病足潰瘍」や「比較的若い血糖コントロール不良の糖尿病」、「強皮症を疑うほどの皮膚硬化」辺りが要注意です。特徴的な鳥様顔貌や甲高い声は言われればなるほどとなりますが,個体のバリエーションとして看過してしまいやすいかもしれません。
 どこでアンテナを張るか、自分はどこを見逃しやすいかを認知しておく必要があります。

http://livedoor.blogimg.jp/kiyosawaganka/imgs/c/7/c717deef.jpg
http://livedoor.blogimg.jp/kiyosawaganka/imgs/c/7/c717deef.jpgより引用)


 日本からは診断・診療ガイドラインが出ています。中身は読み物ではありますが、稀少疾患の診療には役に立つと思います。

http://www.m.chiba-u.jp/class/clin-cellbiol/werner/pdf/guideline.pdf


 ✓ Werner症候群は身近な糖尿病患者に隠れている可能性

 

 

ペースメーカーとMRI  Pacemaker and MRI

 技術の進歩と共にペースメーカー留置中の患者さんに対するMRIは禁忌ではなくなりつつあります。
 ただ、何でもかんでもOKというわけではなく、設定が必要になったりします。欧米では2008年頃から、本邦では2012年頃からMRI対応ペースメーカーが使用可能となりました。

 具体的になぜMRIが撮影可能か?というと、
・リード発熱を軽減するために内部コイル導体を4本から2本に変更し発熱抑制
・本体の入力回路の最適化により相互干渉を抑える
強磁性体部品をゼロにする
あたりが技術革新で可能になったことが大きい模様です。

 MRI対応ペースメーカーではX線不透過マーカーがついているんだそうです。

 ただ、単に入っているモノ(本体・リード)だけでなく、プログラムもMRI対応である必要があります。また、施設基準もかなり厳しく設定されており、循環器医のみならず、放射線科医・臨床放射線技師も所定の研修を終了している必要があるんだそうです。

 ✓ MRI対応ペースメーカーは今後増えるが、検査実施の際には、専門家と協議して慎重に準備しておこなうべき

 

 

Klebsiella眼内炎 Endogenous endophthalmitis of Klebsiella pneumoniae

 恐ろしや恐ろしや。眼内炎は外因性と内因性に大きく分かれ、外傷や術後などの外因性が最も多いとされています。眼以外の感染部位から血行性転移する内因性は全体の2-8%とも報告され、比較的稀な病態です。更には、細菌性よりは真菌性が多いと言われ、CLABSIによるCandida血症が誘因になったりします。

 今回は、細菌性の中でKlebsiellaの話題。実は細菌性の中ではKlebsiella pneumoniaeが起因菌として最も多いのだそうです。眼予後は非常に不良であり、多くの場合、失明・眼球摘出に至る症例が多く報告されています。

 多くは強毒株であるK1/K2であると言われ、magA・rmpA・aerobactinなどの毒性陰性が報告されています。コロニーはstring signと呼ばれる粘性を認めることが多く、その強毒性を示唆しています。糖尿病はリスクですね。

http://www.intechopen.com/source/html/44484/media/image9.jpeg

(http://www.intechopen.com/source/html/44484/media/image9.jpegより引用)

 ✓ Klebsiella pneumonia眼内炎は恐ろしい病気