栃木県の総合内科医のブログ

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ACPJC:Diagnosis 末梢体温は深部体温を正確に評価できるか?

ACPJCです。
体温測定かあ。確かこれ読んだ気も。
こういったものも検証大事ですね。

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Accuracy of peripheral thermometers for estimating temperature: a systematic review and meta-analysis.

Niven DJ, Gaudet JE, Laupland KB, et al.

Ann Intern Med. 2015;163:768-77.


臨床上の疑問:
 末梢体温は深部体温を正確に評価できるか?


方法:
①Review範囲:成人や小児の急性期もしくは救急医療での末梢体温測定(鼓膜・側頭動脈・腋窩・口腔内)について評価した研究の中で、5分以内の深部体温(肺動脈・直腸・膀胱・食道)と比較した研究を組み入れた。
 除外基準は健常ボランティアや非接触による体温測定。
 アウトカムは、基準値としての深部体温±0.5℃以内(臨床的に許容範囲)の割合と診断特性(感度・特異度・尤度比)

②Review方法
MEDLINE、EMBASE/Excerpta Medica、Cochrane Central Register、CINAHL Plusを2015年7月まで評価。reference list、関連文献、ガイドライン、clinical trial registries、観察研究、診断正確性研究が評価された。75研究(n=8682人)が組み入れ基準をみたし、42研究が成人で平均年齢61歳、32研究が小児で平均年齢16か月、1研究は両方を含んでいた。

 比較された体温は正常範囲 71%、発熱 21%、低体温 8%だった。鼓膜温は52研究、腋窩温 34研究、側頭動脈温 14研究、口腔温 11研究が比較対象で、コントロールが肺動脈温 31研究、直腸温 30研究、膀胱温 12研究、食道温 3研究でゴールドスタンダードとされた。

 メタ解析では69研究が正常範囲決定のために、20研究が診断特性を評価するために用いられた。バイアスリスクは高いのが患者選択で74%、インデックス検査バイアスは参照基準を知っていると受けやすいバイアスで67%とバイアスリスクが高かった。

結果:
 成人でも小児でも較正された鼓膜温・口腔温は深部体温の正常範囲内を満たしたが、その他の末梢体温は深部体温の正常範囲を超えた。

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(本文より引用)

結論:
 較正された鼓膜温・口腔温は深部体温と比較して正確だが、その他の末梢体温は深部体温を予測できない。

 体温研究はなかなか興味深いです。そして、こういったデータを見ても腋窩体温で評価する文化は変わらないのでしょうか・・・鼓膜温への切り替えの障壁はなんだろうか。