栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

論文:Retrocohort HOSPITALスコアは30日以内の再入院を予測する

HOSPITALスコアは30日以内の再入院を予測する
International Validity of the HOSPITAL score to predict 30-day potentially avoidable hospital readmissions

JAMA Intern Med. doi:10.1001/jamainternmed.2015.8462 Published online March 7, 2016.

【背景】
 潜在的に回避可能な再入院のリスクが高い患者を同定することは、治療やケアを追加したり、退院場所の検討にも有用である。
【目的】
 国際多施設共同研究でHOSPITALスコアの外部バリデーションを行い、全般妥当性を評価する。
【デザイン・セッティング・患者】
 4ヵ国9病院による国際多施設後ろ向き観察研究で、2011年1〜12月成人11万7065人の生存退院患者を連続的に組み入れた。他の急性期病院への転院は除外された。
【曝露】
 HOSPITALスコアは退院時の予測因子からなり、ヘモグロビン値・癌診療科からの退院・ナトリウム値・入院中の手技・緊急入院か・過去12か月の入院回数・入院期間が含まれていた。

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(本文より引用)


【メインアウトカム】
 SQLapeアルゴリズムを用いて評価した30日後時点で回避可能と考えられた再入院
【結果】
 2011年1-12月の急性期医療機関を退院した全部で11万7065人が解析された。全ての退院患者のうち16992人(14.5%)が30日までに再入院した。そのうち11307人(9.7%)が30日以内の回避可能な再入院と判断された。HOSPITALスコアの識別力は良好で、C-staticsが0.72(0.72-0.72)だった。デリべーション研究と同様に患者を3群に割り付けし、低リスク(73031人:62.4%)、中等度リスク(27612人:23.6%)、高リスク(16422人:14.0%)だった。各リスクは潜在的に回避可能な再入院の推定割合と相関した。
【結論】
 HOSPITALスコアは、多施設国際共同研究においても、30日後の回避可能な再入院のリスクを識別し優れた診断能で予測可能だった。スコアは簡便に回避可能な再入院を防ぐための介入が必要な患者や退院方法に注意が必要な患者を予測することができた。


【批判的吟味】

・以前もご紹介したHOSPITALスコアの外部バリデーションです。
・論文のPECOは、
P:4ヵ国9病院の生存退院患者11万7065人
E/C:HOSPITALスコアでリスク層別化
O:30日以内の回避可能と判断された再入院
T:後ろ向き観察研究
・平均年齢60.8歳、男性 51.0%、米国・カナダ・スイス・イスラエルの4ヵ国、救急入院が74%、入院期間5日以上が43%(逆に半分は5日以内)、過去1年で2回以上入院しているのが28%程度
・後ろ向き観察研究ですが、かなり症例数が多く連続的に症例解析をしているので、観察研究の精度としては非常に高い結果でした。
・各リスク毎に比較すると、低リスクの0-4点の患者では再入院率が5.8%、中等度リスクの5-6点は11.9%、高リスクは22.8%でした。
・全体の再入院率は14.5%でそのうち半分以上が回避可能ってのがなかなか味噌ですね。

【個人的な意見】
 なかなか興味深い結果でした。あとはこの予測をどのように生かすかでしょうか。日本でも多施設でバリデーションの観察研究やりたいなあ。日本では入院期間ってあまり当てにならない気がする・・・どなたか多施設でやる研究ネットワーク作らないすか?まあ、自分の業務ももう少し調整必要ですが。

✓ HOSPOTALスコアは回避可能な再入院を精度よく予測することが可能である