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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

ACPJC:Etiology 消化管出血後に抗血栓薬を再開することは心房細動患者の予後改善に繋がる

ACPJC 循環器 消化器 薬剤

ACPJCです。
このトピック重要ですね。
実際出血した人に続けましょう!っていうの難しいですけどね。

f:id:tyabu7973:20160405230935j:plain

Stroke and recurrent haemorrhage associated with antithrombotic treatment after gastrointestinal bleeding in patients with atrial fibrillation: nationwide cohort study.

Staerk L, Lip GY, Olesen JB, et al.
BMJ. 2015 Nov 16;351:h5876.


臨床上の疑問:
 心房細動で抗凝固中に消化管出血をきたした患者では、抗血栓薬を再開することは死亡率や血栓塞栓・出血と関連するか


方法:
①デザイン:国民データベースにリンクした観察研究
②セッティングデンマーク
③患者:30-100歳までの心房細動があって消化管出血で最初に入院した患者4602人を解析対象とした。内服薬として単剤もしくは併用での抗血栓薬(ワーファリン・ダビガトラン・リバロキサバン・アスピリン・クロピドグレル・プラスグレル・チカグレロル)が含まれていた。
 除外基準では、弁膜症性心疾患、8週以内の股関節・膝関節骨頭置換、6か月以内の深部静脈血栓症もしくは肺動脈塞栓症の既往。
 1193人が死亡、血栓塞栓イベント・主要出血・消化管出血の再燃が退院90日以内に起こった場合には除外し、残りの3409人(平均78市、55%男性)を解析対象とした。
④リスク因子:経口抗凝固薬(ワーファリン・ダビガトラン・リバロキサバン)と抗血小板薬(アスピリン・ADP受容体拮抗薬)
⑤アウトカム:全死亡と血栓塞栓症、主要な出血、再発性消化管出血による入院

結果:
 全体の40%が退院2年以内に死亡していた。73%の患者が抗血栓治療を再開していた。再開しなかった群と比較すると、単剤の抗凝固療法は主要な出血を増やしたが、全死亡、血栓塞栓症、消化管出血を増やさなかった。他の治療薬は全死亡、血栓塞栓症、主要な出血、消化管出血の再発を増やさなかった。

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(本文より引用)

結論:
 心房細動で抗凝固中に消化管出血をきたした患者では、抗血栓薬を再開することは死亡率や血栓塞栓・消化管出血再燃と関連しなかった

 難しいところですね。コメントでは、消化管出血とひとくくりにしないで、きちんとどんな消化管出血だったか同定し、治療可能な出血源であれば、きちんと治療した上で再開しましょう!とのことでした。

 

知っていますか? 抗血栓療法のための、消化管出血の知識

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