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栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

メモ:STOPP criteria ver.2 2015年改訂

ポリファーマシー メモ

STOPP/START criteria2015年に改訂されてたんですね。
すっかり失念しておりました。
ご興味のある方は、翻訳しましたのでどうぞ〜。
後ほどSTART criteriaも出しますね。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25324330

 

STOPP criteria 2015
Screening Tool of Older Persons’ Prescriptions (STOPP) version 2.
Age Ageing. 2015 Mar;44(2):213-8.

65歳以上の高齢者に対しては潜在的な不適切薬剤である

 

Section A: 薬剤適応  
 1. エビデンスに基づいた臨床適応ではない薬剤  
 2. 推奨期間を超えて処方されている薬剤  
 3. 同効薬剤の重複(例:2種類のNSAIDs・SSRIs・ループ利尿薬・ACE阻害薬・抗凝固薬)

 

Section B: 心血管系  
 1. 左室収縮能が正常な心不全患者に対するジゴキシン  
 2. NYHA Ⅲ〜Ⅳの心不全患者へのベラパミルやジルチアゼム 
 3. ベラパミル(ワソランⓇ)とジルチアゼム(ヘルベッサーⓇ)にβ遮断薬を併用  
 4.徐脈(50回/分未満)や2度房室ブロック、完全房室ブロックがある患者へのβ遮断薬  
 5. 上室性頻拍に対して第一選択でアミオダロン(アンカロンⓇ)
 6. 高血圧の第一選択の治療としてループ利尿薬  
 7. 臨床的・生化学的・画像的に心不全肝不全ネフローゼ症候群や腎不全が無い患者の下腿浮腫に対するループ利尿薬  
 8. 低カリウム血症(K<3.0mmol/L)、低ナトリウム血症(Na<130mmol/L)、高カルシウム血症(Ca>10.6mmol/L)または痛風既往がある患者でのサイアザイド系利尿薬 
 9. 尿閉を合併した高血圧患者に対するループ利尿薬  
 10.中枢作動性降圧薬(メチルドパ(アルドメットⓇ)、クロニジン(カタプレスⓇ)、モキソニジン(本邦未発売)、リルメニジン(本邦未発売)、グアンファシン(エスタリックⓇ))を他の降圧薬が効果がないもしくは使用できない状況以外で使用  
 11. 高カリウム血症がある患者でのACE阻害薬  
 12. 血清カリウム値のモニターなしのアルドステロン拮抗薬(スピロノラクトン(アルダクトンⓇ)・エプレレノン(セララⓇ))とカリウム保持性薬剤(ACE阻害薬・ARB・アミロライド(本邦未発売)・トリアムテレン(トリテレンⓇ))の併用
 13. ホスホジエステラーゼ5阻害剤(シルデナフィルバイアグラⓇ)、タダラフィルシアリスⓇ)、バラデナフィル(レビトラⓇ))を重症の心不全患者(収縮期血圧 <90mmHgの低血圧)や硝酸剤使用する狭心症で使用

 

Section C: 抗血小板薬・抗凝固薬  
 1. 160mg/日以上の長期アスピリン投与  
 2. 消化性潰瘍の既往のある患者でのPPI併用無しのアスピリン  
 3. アスピリン・クロピドグレル・ジピリダモール(ペルサンチンⓇ、アンギナールⓇ)・ビタミンK拮抗薬・直接トロンビン阻害薬(プラザキサⓇ)・Xa因子阻害薬(エドキサバン(リクシアナⓇ)、リバロキサバン(イグザレルトⓇ)、アピキサバン(エリキュースⓇ))を出血リスクが高い患者(コントロール不良の重症高血圧、出血傾向, 最近の出血既往)で使用  
 4. 過去12か月市内に冠動脈ステント留置があるか急性冠症候群合併か高度の症候性頚動脈狭窄がある場合を除いて、脳卒中の二次予防でアスピリン+クロピドグレル併用
 5. 慢性心房細動に対するアスピリンとビタミンK拮抗薬、直接トロンビン阻害薬・Xa阻害薬併用  
 6. 安定型狭心症・脳血管障害・末梢動脈疾患に対して抗血小板薬とビタミンK拮抗薬、直接トロンビン阻害薬・Xa阻害薬併用  
 7. チクロピジン(パナルジンⓇ)の使用(硫酸クロピドグレルとプラスグレルが効果は同等であり、副作用が少ない)  
 8. 6か月以上持続する血栓リスクの無い(遺伝性血栓素因など)深部静脈血栓症患者に対して、初期治療でビタミンK拮抗薬・直接トロンビン阻害薬・Xa阻害薬を使用すること  
 9. 12か月以上持続する血栓リスクの無い(遺伝性血栓性素因など)肺血栓塞栓症患者に対して、ビタミンK拮抗薬・直接トロンビン阻害薬・Xa阻害薬を使用すること  
 10. NSAIDsとビタミンK拮抗薬・直接トロンビン阻害薬・Xa阻害薬の併用  
 11. NSAIDsと抗血小板薬をPPIによる予防無しで使用

 

Section D: 中枢神経系・精神科系  
 1. 認知症・閉塞隅角緑内障・心伝導系障害・前立腺肥大症・過去の尿閉既往のある患者に対する三環系抗うつ薬  
 2. 抗うつ薬治療の第一選択として 三環系抗うつ薬を使用する  
 3. 前立腺肥大や尿閉既往患者に対する中等度の抗ムスカリン/抗コリン作用を持つ向精神病薬(クロルプロマジンコントミンⓇ)、クロザピン(クロザリルⓇ)、フルペンチキソール(本邦未発売)、フルフェナジン(トリラホンⓇ)、ピポチアジン(本邦未発売)、プロマジン(本邦未発売)、ズクロペンチキソール(本邦未発売))  
 4. 現在もしくは最近の低ナトリウム血症患者(Na<130mmol/L)に対するSSRIs  
 5. 4週間以上ベンゾジアゼピン系薬剤  
 6. パーキンソン関連疾患やLewy小体型認知症患者に対するクエチアピン(セロクエルⓇ)・クロザピン(クロザリルⓇ)を除いた向精神病薬  
 7. 向精神病薬の副作用である錐体外路症状の治療のために抗コリン/抗ムスカリン薬を使用  
 8. せん妄や認知症患者に対する抗コリン/抗ムスカリン薬使用  
 9. 症状が重度でないもしくは非薬物療法を試していない状況で、認知症周辺症状(BPSD)に対する向精神病薬  
 10. 精神疾患認知症の既往のない睡眠障害での向精神病薬  
 11. 持続的な徐脈(60回/分未満)、心伝導ブロック、再発性の原因不明失神、心拍を減らすような薬剤使用(β遮断薬・ジゴキシン・ジルチアゼム(ヘルベッサーⓇ)・ベラパミル(ワソランⓇ))の患者に対するアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル(アリセプトⓇ)、リバスタグミン(リバスタッチⓇ、イクセロンⓇ)、ガランタミン(レミニールⓇ))  
 12. フェノチアジン系薬剤を第一選択で使用する。ただし、プロクロルペラジン(ノバミンⓇ)を嘔気・嘔吐・めまいに使用すること、クロルプロマジンコントミンⓇ、ウィンタミンⓇ)を持続的なしゃっくりへの使用、レボメプロマジンレボトミンⓇ)を緩和ケアで制吐剤として使用することは除く  
 13. レボドパやドパミンアゴニストを本態性振戦で使用  
 14. 第1世代抗ヒスタミン薬の使用

 

Section E: 腎臓系(以下の薬剤はeGFRで測定した腎機能による急性もしくは慢性腎障害患者で潜在的に不適切な薬剤)  
 1. eGFR<30ml/min/1.73m2の患者で長期125μg/日を超えるジゴキシン投与  
 2. eGFR<30ml/min/1.73m2の患者で直接トロンビン阻害薬(ダビガトラン(プラザキサⓇ))使用  
 3. eGFR<15ml/min/1.73m2の患者でXa阻害薬(エドキサバン(リクシアナⓇ)、リバロキサバン(イグザレルトⓇ)、アピキサバン(エリキュースⓇ))
 4. eGFR<50ml/min/1.73m2の患者でNSAIDs
 5. eGFR<10ml/min/1.73m2の患者でコルヒチン
 6. eGFR<30ml/min/1.73m2の患者ででのメトホルミン(メトグルコⓇ)

 

Section F:消化器系  
 1. プロクロルペラジン(ノバミンⓇ)やメトクロプラミド(プリンペランⓇ)をパーキンソン患者に使用
 2. 単純な消化性潰瘍やびらん性逆流性食道炎に対して高用量で8週間以上PPI使用
 3. 便秘を引き起こす薬剤(抗ムスカリン/抗コリン作動薬・鉄剤・オピオイド・ベラパミル(ワソランⓇ)・アルミニウム酸)を慢性便秘患者に使用  
 4. 経口鉄200mg/日以上使用(フマル酸鉄(フェルムⓇ)>600mg/日、クエン酸鉄(フェロミアⓇ)>600mg/日、グルコン酸鉄(本邦未発売)>1800mg/日)

 

Section G: 呼吸器系  
 1. 慢性閉塞性肺疾患COPD)に対してテオフィリン単剤治療  
 2. 中等度〜重度のCOPDに対する吸入ステロイドの維持療法を行わないで全身性ステロイド投与  
 3. 閉塞隅角緑内障患者や尿路閉塞患者に対する抗ムスカリン系の気管支拡張薬(イプラトロピウム(アトロベントⓇ)・チオトロピウム(スピリーバⓇ))
 4. 治療を必要とするような喘息患者に対する非選択的β遮断薬(経口・点眼)
 5. 急性もしくは慢性の呼吸不全患者(pO2<60mmHg、pCO2>40mmHg)に対するベンゾジアゼピン系薬剤

 

Section H: 筋骨格系
 1. 消化性潰瘍や消化管出血既往のある患者に、PPIやH2拮抗薬を併用せずにCOX-2選択的阻害薬以外のNSAIDSを使用
 2. 重症高血圧患者や重症心不全患者に対するNSAIDs
 3. 変形性関節症の症状緩和のためにアセトアミノフェンを試さずに長期間(>3か月)NSAIDs使用
 4. 関節リウマチに対する長期間(>3か月)ステロイド単剤治療(全身性ステロイド副作用のリスク)
 5. 変形性関節症に対するステロイド(単関節痛に対する関節内注射は除く)
 6. キサンチンオキシダーゼ阻害剤(アロプリノール(ザイロリックⓇ)・フェブキソスタット(フェブリクⓇ))の禁忌が無いのに、痛風の慢性期治療のために長期間(>3か月)NSAIDsとコルヒチン
 7. 心血管疾患に対するCOX-2選択的NSAIDs
 8. PPI予防なしにNSAIDsとステロイドを併用
 9. 最近の上部消化管疾患既往(嚥下障害・食道炎・十二指腸炎・消化性潰瘍・消化管出血)のある患者に対する経口ビスホスホネート製剤

 

Section I: 泌尿器科
 1. 認知症や慢性認知障害、閉塞隅角緑内障、慢性前立腺疾患に対する抗ムスカリン
 2. 症候性の起立性低血圧患者や排尿失神に対する選択的α1阻害薬

 

Section J. 内分泌系
 1. 2型糖尿病患者に対する長時間作用型スルホニルウレア剤(グリベンクラミドオイグルコンⓇ)・クロルプロパミド(アベマイドⓇ)・グリメピリド(アマリールⓇ))
 2. 心不全患者に対するチアゾリジン系(ロシグリタゾン(本邦未発売)・ピオグリタゾン(アクトスⓇ))
 3. 頻回の低血糖発作がある糖尿病患者にβ遮断薬
 4. 乳癌や深部静脈血栓症既往のある患者に対するエストロゲン
 5. 子宮がある患者に対してプロゲステロンを併用せずにエストロゲンのみ投与
 6. 原発性または続発性性腺機能低下症が無い患者へのアンドロゲン(男性ホルモン)

 

Section K: 高齢者で転倒を増やす薬剤
 1. ベンゾジアゼピン系薬剤
 2. 抗精神病薬
 3. 持続的に起立性低血圧がある患者(繰り返し収縮期血圧が20mmHg以上低下)に対する血管作動性薬剤(α1受容体拮抗薬、カルシウム受容体拮抗薬、長時間作用型硝酸剤、ACE阻害薬、ARB
 4. Z-drug系の睡眠薬(ゾピクロン(アモバンⓇ)、ゾルピデムマイスリーⓇ)、ザレプロン(本邦未発売))

 

Section L: 麻薬系
 1. 経口もしくは経皮の強オピオイドモルヒネオキシコドンフェンタニル・ブプレノルフィン(レペタンⓇ)・ジアモルフィン(本邦未発売)・メタドン(本邦未発売)・トラマドール(トラマールⓇ、トラムセットⓇ)・ペチヂン(オピスタンⓇ)・ペンタゾシン(ペンタジンⓇ、ソセゴンⓇ))を軽症疼痛の第一選択に使用
 2. 緩下剤なしで定期的なオピオイド使用
 3. 長時間作用型オピオイドを突出中に対する短時間作用型オピオイドなしで処方

 

Section M: 抗ムスカリン/抗コリン作動薬
 2種類以上の抗ムスカリン/抗コリン作用のある薬剤併用(膀胱作動薬、腸管作動薬、三環系抗うつ薬、第1世代抗ヒスタミン薬)