栃木県の総合内科医のブログ

栃木県内の総合病院内科の日々のカンファレンス内容や論文抄読会の内容をお届けします。内容については、できる限り吟味しますが、間違いなどありましたら是非ご指摘ください。また、内容の二次利用については自己責任でお願いします。

メモ:START criteria ver.2 2015改訂

こちらも載せておきます。
個人的には提示されている薬剤の中でもSTARTしたくないやつもたくさんありますね。
この辺りは今後更なる検討が必要とは思います。
ひとまずサラッと目を通してみてください!

Screening Tool to Alert to Right Treatment (START), version 2.

 

Section A:心血管系  
 1. 慢性心房細動患者に対するビタミンK拮抗薬または直接トロンビン阻害薬、Xa因子阻害薬 
 2. 慢性心房細動患者でビタミンK拮抗薬または直接トロンビン阻害薬、Xa因子阻害薬が禁忌の場合に、アスピリン 75-160mg/日  
 3. 冠動脈疾患または脳血管疾患、末梢動脈疾患がある患者に対する抗血小板薬治療(アスピリン・クロピドグレル・プラスグレル・チカグレロール)  
 4. 重度の高血圧(収縮期血圧>160mmHg、拡張期血圧>90mmHg)患者に対する降圧薬、ただし糖尿病患者では収縮期血圧>140mmHg、拡張期血圧>90mmHgで降圧薬  
 5. 冠動脈疾患または脳血管疾患、末梢動脈疾患がある患者でなおかつ85歳以上もしくは終末期患者ではない場合にスタチン  
 6. 収縮能の落ちている心不全もしくは冠動脈疾患に対するACE阻害薬  
 7. 虚血性心疾患に対するβ遮断薬  
 8. 安定した収縮能低下した心不全に対するβ遮断薬(ビソプロロール(メインテートⓇ、ビソノテープⓇ)、ネビボロール(日本未発売)、メトプロロール(セロケンⓇ)、カルベジロール(アーチストⓇ))

 

Section B: 呼吸器系
 1. 軽症から中等症の喘息またはCOPDに対するβ2刺激薬または抗ムスカリン作用の気管支拡張薬(イプラトロピウム(アトロベントⓇ)、チオトロピウム(スピリーバⓇ))
 2. 中等度〜重症喘息またはCOPD患者で予測FEV1.0<50%で繰り返し経口ステロイドを必要とするような増悪を経験した患者で定期的な吸入ステロイド
 3. 慢性呼吸不全患者への在宅酸素療法(pO2<60mmHgまたはSaO2<89%)

 

Section C: 中枢神経系と眼科
 1.機能障害のあるパーキンソン病に対してL-dopa製剤やドパミンアゴニスト
 2. 持続的に大うつ病症状がある患者に対して三環系抗うつ薬以外の抗うつ薬
 3. 軽症から中等症のAlzheimer型認知症に対するアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル(アリセプトⓇ)、リバスチグミン(イクセロンⓇ、リバスタッチⓇ)、ガランタミン(レミニールⓇ)やLewy小体型認知症に対するリバスチグミン(イクセロンⓇ、リバスタッチⓇ)
 4. 開放隅角緑内障に対するプロスタグランジン・プロスタミド・β遮断薬の点眼薬
 5. 日常生活に支障が出るような持続的な重度の不安障害に対するSSRI(禁忌ならSNRIかプレガバリン(リリカⓇ))
 6. 鉄欠乏や重度の腎不全が除外されたむずむず脚症候群に対するドパミンアゴニスト(ロピニロール(レキップⓇ)、プラミペキソール(ビ・シフロールⓇ)、ロチゴチン(ニュープロⓇ))

 

Section D: 消化器系
 1. 重症の逆流性食道炎や拡張が必要な消化管狭窄に対するPPI 
 2. 便秘既往のある結腸憩室に対する繊維サプリメント

 

Section E: 筋骨格系
 1. 活動性および障害があるリウマチ疾患に対するDMARD 
 2. 長期全身性ステロイド内服患者にビスホスホネートとビタミンDとカルシウム製剤 
 3. 骨粗鬆症や過去の脆弱性骨折や骨密度低下(Tスコア >-2.5)患者に対してビタミンDとカルシウムサプリメント
 4. 骨粗鬆症や過去の脆弱性骨折や骨密度低下(Tスコア >-2.5)患者に対して、薬理学的・臨床的に禁忌が無い場合に骨代謝薬(ビスホスホネート、ラネル酸ストロンチウム(本邦未発売)、テリパラチド(フォルテオⓇ、テリボンⓇ)、デノスマブ(ランマークⓇ))
 5. 骨密度低下(Tスコア >-1.05、<-2.5)で転倒歴ありもしくは外出しない患者に対してビタミンDサプリメント
 6. 再発性の痛風既往がある患者へのキサンチンオキシダーゼ阻害薬(アロプリノール(ザイロリックⓇ)、フェブキソスタット(フェブリクⓇ))
 7. メソトレキサート内服中患者に対する葉酸

 

Section F: 内分泌系
 1. 糖尿病で腎障害(顕性蛋白尿、微量アルブミン様尿:30mg/日以上、血液検査異常)を合併している患者でのACE阻害薬またはARB(ACE阻害薬が使用できない場合)

 

Section G: 泌尿器系
 1. 症候性かつ手術の適応では無い前立腺症状に対するα1受容体阻害薬
 2. 症候性かつ手術の適応では無い前立腺症状に対する5αレダクターゼ阻害薬
 3. 症候性の萎縮性膣炎に対する経膣エストロゲン軟膏またはエストロゲン付加ペッサリー

 

Section H:麻薬系
 1.アセトアミノフェン・NSAIDs・弱オピオイドでコントロールが不十分な中等度から重症の痛みに対する強オピオイド投与
 2. オピオイドを定期内服している患者の緩下剤

 

Section I: ワクチン
 1. 毎年季節性インフルエンザワクチン接種
 2. 国毎のガイドラインに従い65歳以上の高齢者に対して少なくとも1回の肺炎球菌ワクチン接種

 

 

高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015

高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015

 
高齢者のための薬の使い方―ストップとスタート

高齢者のための薬の使い方―ストップとスタート